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上武に掴みかかっていた木角はピタリと動きを止めて、Aの方を向く。
『なので社畜同士、一緒に仕事しませんか?』
木「
『残念、振られちゃいましたねぇ。』
くすくすと笑う姿はとても可愛らしいのに、横に積んである仕事がいかんせん可愛らしくない。
木「Aさんからデートのお誘いなら嬉しいんですけどねぇ〜…?」
『今してるじゃないですか。』
木「これはデートって言わねぇ…。」
木角は諦めた様にため息をつきながらAの隣に腰掛けると、パソコンの電源を入れた。
上「Aさん、今度ママンとトゥギャザーのキーホルダーを作ろうと思っているんですが、素材はやっぱりアクリルでしょうか。」
『んー、対象年齢が低いから大きさによっては飲み込む危険もあるしアクリルじゃない方が良いと思います。』
上「…確かにそうですね。僕としたことが見落としてました。」
少ししゅんとしたような上武。
『アニメ見ながらだと
上「それ良いですね。バッグにも付けることが出来そうですし…あ、シークレット入れよう。」
上武のモニターには、ウサオやクマオ、詩乃や池照の上半身アップや、コバイキン、フランスパン、シソが並んでいる。
(メインキャラクターは分かるけど、裏道さんの姿が小物に変換されてる…。)
木「…上武、企画書作ってからサイトに載せろよ?」
上「もうサイトに載せたけど。」
木「だぁぁかぁぁらぁぁ!!!!それを止めろっつってんだよ!!何回言えば分かるんだ!?え゛ぇ゛!?」
木角が声を荒げると、上武はさっとAの横に隠れる。
木「どういうつもりだテメェ…。」
上「短気な男は嫌われますよ。」
木「ぐっ…!!」
間に挟まれたAは双方を見比べながら少し困った顔で笑った。
『木角さん。』
ちょいちょいと手招きをするA。訝しげに近寄る木角につい笑みが溢れる。
『ちょっとしゃがんでくれませんか?』
木「良いですけど…。」
Aの側まで行き、しゃがみ込むと見下ろしていた目線が近くなる。何をされるのかと構えていたら、頭に優しい感触が降って来た。
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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時