検索窓
今日:24 hit、昨日:4 hit、合計:3,860 hit

: ページ25

.


上武に掴みかかっていた木角はピタリと動きを止めて、Aの方を向く。

『なので社畜同士、一緒に仕事しませんか?』

木「御免被(ごめんこうむ)りたいでぇす。」

『残念、振られちゃいましたねぇ。』

くすくすと笑う姿はとても可愛らしいのに、横に積んである仕事がいかんせん可愛らしくない。

木「Aさんからデートのお誘いなら嬉しいんですけどねぇ〜…?」

『今してるじゃないですか。』

木「これはデートって言わねぇ…。」

木角は諦めた様にため息をつきながらAの隣に腰掛けると、パソコンの電源を入れた。

上「Aさん、今度ママンとトゥギャザーのキーホルダーを作ろうと思っているんですが、素材はやっぱりアクリルでしょうか。」

『んー、対象年齢が低いから大きさによっては飲み込む危険もあるしアクリルじゃない方が良いと思います。』

上「…確かにそうですね。僕としたことが見落としてました。」

少ししゅんとしたような上武。

『アニメ見ながらだとこっち(オタク)の感覚になっちゃいますよね。分かります。あ、せっかくならリール付きのもちもちキーホルダーとはいかがでしょう?サイズもちょっと大きめにして…。』

上「それ良いですね。バッグにも付けることが出来そうですし…あ、シークレット入れよう。」

上武のモニターには、ウサオやクマオ、詩乃や池照の上半身アップや、コバイキン、フランスパン、シソが並んでいる。

(メインキャラクターは分かるけど、裏道さんの姿が小物に変換されてる…。)

木「…上武、企画書作ってからサイトに載せろよ?」

上「もうサイトに載せたけど。」

木「だぁぁかぁぁらぁぁ!!!!それを止めろっつってんだよ!!何回言えば分かるんだ!?え゛ぇ゛!?」

木角が声を荒げると、上武はさっとAの横に隠れる。

木「どういうつもりだテメェ…。」

上「短気な男は嫌われますよ。」

木「ぐっ…!!」

間に挟まれたAは双方を見比べながら少し困った顔で笑った。

『木角さん。』

ちょいちょいと手招きをするA。訝しげに近寄る木角につい笑みが溢れる。

『ちょっとしゃがんでくれませんか?』

木「良いですけど…。」

Aの側まで行き、しゃがみ込むと見下ろしていた目線が近くなる。何をされるのかと構えていたら、頭に優しい感触が降って来た。

:→←所変わって



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。