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裏「Aさん、耳かして。」
『はい、なんでしょう?』
裏道の低めの声と吐息が少しくすぐったかったが、それよりも内容に驚きだった。
『えっ………はぁ、うーん……』
裏「…じゃないとやらないから。」
『ええっ!?………分かりました。なんとかやってみます。』
Aはソファーから立ち上がると兎原をちらっと見る。
兎「ん?どしたの?」
『…………色々頑張ってね。』
兎「お、おう?ありがと??」
『じゃあ私そろそろ戻りますね。お時間ありがとうございましたー。』
兎「またなー!」
手を振りながら小走りで去るA。
残った兎原と裏道だが、時計を見るとそろそろスタンバイの時間が近づいていた。
兎「なんかよく分かんねぇけど頑張るか!」
裏「…お前のそういう所はたまに羨ましいわ。」
***
ーーー会議室
『アモンさーん?進捗いかがです?』
ノックをしてドアを開けると、イキイキとしたアモンがパソコンのディスプレイを眺めていた。
ア「やぁ!A君!遅かったじゃないか。」
『すみません、裏道さんに出演依頼の話をしてきたので遅くなりました。』
ア「そうかそうか!裏道君の事だ。きっとやってくれる
だろう!!」
うんうんと嬉しそうに頷くアモン。
『その様子だと、話書けたみたいですね?』
ア「勿論だとも!ぜひ読んでくれ!!」
アモンはノートパソコンをAに向ける。それに気づくと近くのイスに座り脚本を読み始めた。
『……そうですね。これなら問題なさそうですね!ただ、ひとつだけ…』
ア「何か気になる事でもあったかい?」
『これは裏道さんからの提案なんですが…』
こんな無茶が通るのか不安なAだったが、裏道君が出てくれないなら話にならない!と快諾されたそうな。
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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時