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『裏道さん！』
裏「…Aさん？え？どうしたの？」
大きな声で呼ばれた裏道は驚いた顔をしながら振り向く。そこには肩で息をしながら歩いてくるAの姿があった。
兎「Aちゃん大丈夫？」
裏「凄い息切れしてるけど何かあった？」
『す…すみません…何かあったというか…業務用連絡があって…。』
兎「そんなに息切らしてまで話さなきゃいけない業務連絡ってなんか怖い。」
裏「……俺も怖いんだけど、とりあえず座って休んで。はい、水。」
裏道が待合い室のソファーにAを座らせると、新しいペットボトルを手に取り渡した。
『ありがとうございます…。』
受け取ったペットボトルをパキッと開けると勢いよく飲んだ。
『……ふぅ。お騒がせしました…。あの、皆さん収録時間は大丈夫ですか？』
裏「まだ1時間前だから平気。」
『分かりました。…裏道さん、私謝らなければならなくて…。』
裏「え？どうして？」
『先程アモンさんと脚本について話し合っていたのですが、どうやら大まかなストーリーは出来上がっていたみたいなんです。ただ、重要な鍵を握るキャラクターが掴まないと…』
兎「アモンさん？…あ！俺たちに最近見た夢とか聞かれた人だよね？裏道さんがシソの神になるキッカケになった話………あっ」
自然と空気が重くなり、皆黙り込んでしまった。
裏「………まさか…また新しいキャラクター…ですか。」
裏道は酷く黒ずんだ目でぼそりと呟く。
『いえ！！………多分、今の所は大丈夫かと。その分、今まで出てきたシソ神様やボンジュールマンとか出てくると思います。』
裏「……………それはそれで辛い。」
『すみません。頑張って下さい。』
兎「Aちゃんって時々すっぱり言い切るよね。」
『あー……つい
裏「…それは別に気にして無いけど。」
裏道はAの頭に手を伸ばすといつもよりかなり荒く頭を撫でた。
『いたたたたっ！！すみませんっ！すみませんてばーっ！！』
裏「俺がどれだけ神経すり減らしてやってるか少しは味わえ。」
兎(おお、裏道さんの歪んだコミュニケーションがとうとうAちゃんにまで。)
兎原がしげしげと眺めていると、無表情の裏道と思いっきり目が合った。
兎「なっ、なんスか？」
裏「…いや。……そうだな。」
裏道はくるりとAの方を向き直す。
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作者名：水無月(みなづき) | 作成日時：2023年10月14日 12時
