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裏×ハロウィン2 ページ16

『おはようございます、裏道さん。』
裏「…朝から元気だな。」
『そういう裏道さんはお疲れですね?』

じとっとAを見ると、イスに座ったまま手招きをする裏道。側まで行くとぐっと腰を引かれて抱きしめられる。

『…夜眠れなかったんですか?』
裏「…昨日は1人で寝たんだから寝付けなかったんだよ…。」
『ふふっ、そうですか。』

さらさらとした髪を撫でる。

裏「ん…なんか甘い匂いがする。」
『今日はハロウィンですからね!昨日家でカボチャのタルト作ってたんですけど食べます?』
裏「…俺が甘いの苦手なの知ってるよな。」

少し拗ねたように呟くと、Aはくすくすと笑いながらはい、と返事をする。

『なので、裏道さんだけ特別仕様です!』

そう言ってバックから取り出したのはラッピングされた箱だった。その箱を受け取り開けてみると…

裏「…………何これ。」
『見ての通りカボチャの煮物です!』
裏「…それは分かるけどなんで煮物なの。」
『いやぁ色々探したんですが良いレシピが無くて。なのでいっそ煮物のほうが良いかなーと。』
裏「…よく見るとタッパーに入ってるし。」
『お気に召しませんか?』
裏「作ってくれたのは嬉しいけど…なんか所帯染みてる…。いや、食べるけど!」

一緒に入っていた割り箸を使って一口食べると、Aがいつも作ってくれる味がした。

裏「……美味い。」
『そんな複雑そうな顔で言わなくても。』
裏「…仕方ないだろ。」
『家に帰ったらカボチャのプリン用意してますから。』
裏「え、」
『ふふふ、トリックオアトリートの"イタズラ"ですよー!裏道さん普段あまり驚かないからちょっと意外性を狙ってみました!!』
裏「……。」
『どうです?びっくりしました?この煮物も案外…』

その続きは裏道の唇で塞がれた。
Aは熱いキスに逃げようとするが、しっかりと頭を抑えられて抜け出す事ができない。

裏「…ふ…やっぱ甘いだろ。これ。」

唇を離して呟く裏道はしてやったりという顔で笑う。

『〜っなっ、いきなり何するんですか!!ここ!スタジオですよ!!』
裏「お前が恋しくなるような料理持ってくるからだろ?」
『そっ…』
裏「今日は俺の家に泊まり、な?この煮物はゆっくり食べたいし、プリンも食べたい。多分あんまり甘く無いんだろうし?」

裏道はAに顔を寄せて呟く。

裏「甘いAもゆっくり食べさせて?」

顔を真っ赤に染める姿に満足したのか裏道は嬉しそうに微笑むと、またAにキスをした。

番外編あとがき→←裏×ハロウィン1



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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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