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『…ふふっ、まったくもう、兎原くんは仕方ないなぁ。』



兎「そ、そう?」

『うん。そしたらスタンバイお願いね。あ、もしかしたら仕事終わる時間ずれるかもしれないから、連絡貰っても良い?』

兎「分かった。じゃあ後でな!」

Aちゃんは手を振ると他の皆にも声をかけに行った。その後ろ姿を眺めていると後ろからいきなり肩を叩かれた。

裏「楽しそうだねー?ウサオ君。」

兎「ヒェアッ‼︎‼︎」

裏「さっきAさんと楽しそうに話してたけど、何かあったのかな〜?」

こ…怖い怖い怖い!!分かる、俺には見なくても分かる!いつものお兄さんボイスだけど裏道さんの目が笑ってない事を…!!終わったー!俺終わったー!!

兎「う、ううう裏道さん…?」

裏「何かな〜?ウサオ君。」

兎「そ、そのあんまり大した事じゃ…」

裏「なら目ぇ見て話せよ。」

兎「ヒイイイッ‼︎‼︎‼︎」

俺の肩を掴む力がギリギリと込められる。
恐る恐る振り向くといつもの極限まで焦がした鍋の底の目が2つ並んでいた。

兎「猫田!!猫田に言われたんです!!連れて来いって!!」

裏「猫田?…なんであいつが出てくるんだよ?」

兎「こ、この前の餃子パーティーの後に猫田の店に行ったんスけど…熊谷がやけにAちゃんを気にしてるって話が出て…そんで流れで連れて来いってなったんです。」

裏「……ふーん。で、Aさんに声かけたの。」

兎「アッハイ…本人からは良いって言われたんで行こうと思ってました…。」

裏「………………あっそ。勝手にすれば。」

兎「ハイ……って、ええええぇ!?」

裏「うるさ…何。」

兎「いや絶対行くの止められると思ってたんで…。」

裏「Aさんが行くって言ったんなら行けば?俺がどうこう言う問題でも無いし。」

兎「はぁ……そうっすか。」

てっきりどうにかして2人きりで行くのをやめさせるか、裏道さん一緒に来るとか言い出すと思ってたんだけどなぁ。

裏「…………止められる様な事をしようとしてるなら話は別だけど。」

兎「違います違いますっっ!!ただ飲みに行くだけでーっす!!」

裏「どうだか。…手ぇ出したら分かってるよな。じゃ。」

兎「ひえ」

裏道さんは怖い事を言い残してさっさと楽屋に向かって行った。とりあえず飲みに行くのはOKもらえたし、せっかくだから楽しみたいよな、うん!よし!この後の仕事頑張るかー!!

◾️2023.10.17一部修正

:→←兎の憂鬱



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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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