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兎の憂鬱 ページ1

ここ最近熊谷と裏道さんがおかしい。



と、いうのもここ最近ウチの職場に来たAちゃんが原因なのは分かっている。

多分2人ともAちゃんの事を物凄く気に入ってるんだと思うんだよな。
特に熊谷はもう好きなんじゃねぇの?って思う。

なら、飲みに行くなりデートに行くなりすれば良いのに「「お前とは違う。」」って言われるし!
気になってる子を誘うのに何がいけないんだかよく分からない。

かくいう俺もAちゃんとは仲良くなりたいんだけど、姉さんを始めとした周りの人のガードが固くてろくに会話も出来ないし…。

この前猫田の前でうっかり裏道さんも気にしてるって事言っちゃったからなぁ。
Aちゃんを店に連れてこないと裏道さんに俺が言ってたってバラすとか言われるし…そんな事されたら俺絶対生きていられねぇよぉ…。


兎「っあ〜〜!!どうすっかなぁ…。」

『どうかしたの?』

イスの上でひっくり返りながら思いっきり叫んだら思いがけない返事が返ってきた。

兎「Aちゃん!?あれ?なんでここにいるの!?」

『今日はエディさんが休みだからこっちの仕事もしてるんだよ。』

兎「あ〜…そういやそんな事言ってたような…。」

『で?』

兎「へ?」

『なんかさっき困ってたみたいだけど、どうかしたの?』

兎「あ〜…いや、はは…。」

上半身を起こしながらなんで答えようか考えたけど、他に誰も居ないんだからこれってチャンスじゃね!?

兎「あ、あのさぁAちゃん。」

『なあに?』

兎「その…今日仕事の後空いてたら、前話してた同じ寮の奴がやってるバーにでもいかない?」

『今日?』

兎「そ、今日。あ、ダメならまた別の日でも良いんだけど…」

『ん〜…。』

Aちゃんは手元に持ってたバインダーをじっと眺めながら考え込んでる。あれ?女の子誘うなんていつもの事なんだけど、なんか返事が無いのに緊張する?!なんで?!

『今日このままスムーズに終われば後は帰るだけだから、行けるよ?』

兎「ホンマに!?」

『うん。でも撮影押したら行けないからね?』

兎「良かった…!これで俺の首は繋がった…マジでありがとーな!!」

猫田からバラされずに済む!と思ってついAちゃんの肩を掴んで前後に振ってしまった。

『ちょ!兎原くん話聞いてる?!あと力強い!!目が回る!!』

兎「あっ!悪ぃ…!つい嬉しくて。」

慌てて肩を離すとAちゃんはやれやれとした顔で俺を見上げながら笑った。

◾️一部修正

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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