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さすがにこの時間は寝てるよなぁ…』

きっと返事は明日に返ってくるだろうとシャワーを浴びる準備をしていた時、

ピロンっ

『え!?』

通知を知らせる音が鳴り、慌ててスマホの画面を覗くと熊谷からの返信だった。

熊〈起きてたから問題無い。〉

〈寝てると思ってたからびっくりしたよ。〉

熊〈そうか、ところで行けそうか?〉

熊谷から核心を突く事を言われて、思わず手が止まる。

『2人で出かける…って事だよね。』

出かけるのは特に問題はないし、裏道と食事に行く時に日にちが重ならないよう気をつければ良いだけなのだが、何となく熊谷の返信から謎の圧を感じて返信の手が止まる。

〈アナウンス部の仕事がどれだけ増えてるかによるから、確認してからの返事でも良いかな?〉

すると一定の間隔で来ていた熊谷からの返信が途絶えて、少し間を開けてから返ってきた。

ピロンっ

熊〈俺と2人で行くのは嫌じゃないのか。〉

〈え?嫌じゃないけど、どうして?〉

熊〈嫌じゃないなら良い。都合の良い日が分かったら連絡くれ。おやすみ。〉

『本当にどうしたんだろう…?とりあえずおやすみ、っと。』

返事を送って既読がついたものの、その後は熊谷から返信が無いのでこれで良いという事なのだろう。

ふうっと、深呼吸をすると今日の事を思い出す。
裏道の優しい手が、体温が忘れられない。

『…心地よかったな。』

ーーーーーー


時計の針は夜中をとうに過ぎていた。
今まで裏道さんの家に居たのだろうか。あのままずっと眠っていたのか、それとも起きて2人で飲み直したりしていたのだろうか。

熊「会って話せば少しは分かるのか…?」

そんな事を考えている俺はそうとう参っているんじゃないかなんて、考えたくもない。


ーーーーーー


自宅に戻り、一通り眠る支度を済ませるといつものようにベランダに出る。静かな時間が過ぎていくが、さっきまでのAとのやりとりが反芻している。ソファーで抱きしめていた感覚が忘れられない。


裏「…あの小さな身体にどんだけ抱え込んでんだよ。」




この名前の付けようのない。
胸が詰まるような、胸を焦がすような想いはまるで、




「恋」のようだなんて。

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年9月4日 13時

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