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それは小さな ページ42

兎「おい!いい加減待てって!!」



熊「…。」

前を歩く熊谷にようやく追いついた兎原。
だが、無言のまま熊谷は速度を緩めない。

裏道の家から走ってきた兎原は、息を切らしながらその後ろ姿に着いていく。

兎「Aちゃんが裏道さんと仲が良いのがそんなに嫌なのかよ!?」

その言葉に熊谷がぴたりと足を止める。

兎「はっ…はっ…やっと追いついた…。お前呼んでるんだから立ち止まるくらいしろよぉー!」

熊「お前、さっきなんつった。」

兎「…へぁ?」

兎原が気の抜けた返事をした瞬間、物凄い力で顔を掴まれる。

兎「いでーーー!!!暴力反対ーー!!」

熊「…さっきなんつったって聞いてんだよ。」

さっきよりも怒気をはらんだ声で熊谷は掴んだ手の力を込める。
こめかみからギリギリと骨が軋む音がする。
このまま掴まれていたら頭の骨が割れるんじゃないかと錯覚するほどだ。

兎「いだだだだだっ…えっ?えっ?Aちゃんと裏道さんが仲良くするのが嫌なんかって…」

熊「嫌だったら何なんだよ。」

兎「は?」

掴んでいた手を離すと熊谷はまた背を向けて歩いていく。

兎「…マジで?お前マジで言ってんのか!?!?」

駆け寄ると熊谷の肩にがしりとのしかかかる兎原。その表情はニヤニヤと笑いをこらえていた。

熊「鬱陶しい。寄るな。」

兎「マジかよ〜!!だってお前Aちゃんが好きって事だろ??」

どすりと兎原のみぞおちに熊谷の肘鉄が綺麗にめり込んだ。

兎「がっふぉ…!」

熊「違う。」

兎「…げほっ、ってぇなぁ!何がだよ!図星だろうが!!」

熊「俺が違うと言ったら違う。」

兎「お前は◯ャイアンかよ!!…ったく素直じゃねーなぁ。そんなに気になるならデートにでも誘えば良いじゃねぇか。俺ならとりあえず飲みに誘うぞ?」

熊「テメェみたいに誰彼構わず誘わねぇ。」

デート、と聞いて女の子から誘われる事はあっても誘う事など今までに無かった熊谷はあまりピンとこなかった。

兎「かーっ!これだからモテる奴は!!あのな!良いな〜って思ってる女が自分だけなんて思うなよ?他に狙ってる奴だって居ても当たり前じゃねぇの?」

熊「…………ちっ。」

兎「ビャッ!!」

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年9月4日 13時

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