: ページ30
裏「そうだけど…?」
『いや、皆さん身体がバッキバキに鍛えてあるから何かやってるんだろうとは思っていましたけど…なんか納得です。』
兎「裏道さんはともかく俺と熊谷はそんな鍛えて無いぞ?つか、見せた事ないよな?」
『裏道さんは見たら嫌でもわかるじゃないですか。兎原さんや熊谷さんは仕事上着ぐるみで暑い時薄着してたりしてるんで見えますよ。』
裏「今聞き捨てならない事聞いたなぁ?」
『気のせいじゃないですか。』
じとっとした目でAを見る裏道。半笑いで顔を背ける姿に兎原は関心するほど流れるような動作だった。
熊「鍛えてると言えば、Aもじゃないか?」
『……私?全然何もしてないよ?』
裏「嘘つけ、前に衣装ケース割ってただろ。あれ意外と硬いんだぞ。それに他の人より数倍は荷物持ち上げてるだろうが。」
じっと黙っていたAだが、3人からの痛い視線に降参した。
『……あーもー!…握力は学生時代から強いだけです。以前働いてた所が重い物を持つ事が多かったので、それで鍛えられたようなものですから。』
兎「前の仕事って何してたの?」
『花屋です。』
熊「冗談だろ。」
裏「それであんな握力になるとか信じられないんだけど。」
『…大きめのバケツに水が半分入った状態で入そこに花が30本とか入れるとバケツ1つが10キロくらいになります。観葉植物とか物によっては20キロ超えますから。それを1人で持ち上げます。』
熊「1人でか。」
『そうですね。狭い場所の時は花びらとか傷つかないように2人で持つ事もありますが基本的に1人です。』
兎「マジかよ…花屋の仕事なんてすげぇ楽だと思ってたわ。」
熊「花に囲まれて必要な花を売るだけ、みたいなイメージ強いよな。」
『あー、花屋イメージあるあるですねぇ。見た目よりも力仕事なので新人さんが続かない時もありますよ。』
裏「そうなのか。結構効率の良いトレーニングになるし、お金まで貰えるとか最高じゃないか?」
『………。』
兎「裏道さん筋トレが趣味みたいな人だから。」
熊「気にしたら負けだぞ。」
裏「何で俺がおかしいみたいな流れなんだよ。…今の話でAさんの腕力には納得した。」
『あまり筋肉落とさないように多少は筋トレしてますけどね。』
兎「第二の裏道さんになりたいの??」
ガシッ!!
営業スマイルを貼り付けた裏道に顔をつかまれる兎原。
熊「…花屋からウチの会社に入ったのは何でだ?」
16人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年9月4日 13時