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裏(あいつら随分仲良くなったよな。…まぁ、あの地獄の10連勤を一緒に過ごせば打ち解けるのも時間はかからないか。)



旅行が終わった後の仕事は死ぬ程辛かった。
1日の収録が3本取りが殆どで、表情筋が5勤を過ぎてからかなりひくついてやばかった。
子供達からも「やる気ある?」「プロ根性無さすぎ」とか言われてやってられなくなるし、出来田さんの無茶振りが異常に多いし、疲れ過ぎたいけてるお兄さんはちょっとした事でツボって収録時間が押すし…

裏「やばい…思い出したらまたしんどくなってきた。」

『何がしんどいんですか?』

裏「!?」

突然現実に引き戻されて危うく煙草を落としそうになった。

『ごめんなさい!火傷してないですか!?』

裏「大丈夫…。」

『いきなり声をかけてすみません。熊谷さんが餃子を焼いてくれているので、もう少しで出来上がりますよ。』

裏「分かった、これ吸ったら戻る。」

『はい、待ってますね。』

Aはベランダの窓を閉めて部屋の中に入って行った。兎原がAの手を引き、自分の側に座らせようとするが、少し会話した後台所に戻り熊谷から何か聞いているようだった。

裏(……待たせるのも悪いし早めに戻るか。)

携帯灰皿に吸い殻を入れて、部屋に戻ると食欲をそそる良い香りがしてきた。

テーブルにはすでにAが作ったスープとおつまみが置かれている。

『すみません、熊谷さんに聞いて食器借りちゃいました。』

裏「あぁ、別に良いよ。………美味そうだな。」

兎「でしょでしょ!あー!早く食いてえ!!」

熊谷「兎原、邪魔だ。」

大皿に綺麗に並べられている羽つき餃子を持ってきた熊谷が、片手で兎原の頭をがっちりと握る。

『熊谷さん!凄い!綺麗!美味しそう!!』

熊「なら、冷めないうちにさっさと食うぞ。」

熊谷は大皿をテーブルに置くとそのまま座って取り分け用の皿を配る。Aがそれぞれビールやハイボールの缶を渡していった。

兎「んじゃ、10連勤お疲れっした!カンパーイ!!」

熊 裏 A「「「カンパイ!!」」」

カシュッといい音をさせながらそれぞれ喉に流し込む。

兎「っかーっ!!今日も酒が美味い!!」

兎原が最初に顔を上げると、裏道と熊谷はまだゴクゴクと飲んでいた。

『相変わらず凄い勢いだねぇ。私は早速餃子をいただこうっと!』

裏「…はぁ、酒が美味い。」

熊「ですね。」

熊谷は缶ビールをテーブルに置くと小鉢に入っている和え物を手に取った。

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年9月4日 13時

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