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裏「わかった。使いたい物あるか?」
『そしたらボウル2つとあと…片手鍋って使ってもいいですか?スープも作りたくて。』
裏道は出された材料を見て、必要そうな物を出していく。
裏「ボウルに…包丁とまな板な。鍋はコンロの上に置いとくから。」
『ありがとうございます。』
熊「下準備があるなら手伝うぞ。」
台所にひょっこりを顔を出した熊谷。
『熊谷さん?えっと…』
兎「熊谷なら料理めっちゃ上手いから問題無いって!せっかくだから手伝ってもらっちゃえよ〜。」
『なら、お願いしようかな。この長芋下処理と食べやすいサイズの角刈りにしようと思ってたの。』
熊「分かった。他にする事があれば遠慮なく言えよ。」
裏「じゃあ、また作り終わってない餃子を俺が引き受けるな。」
裏道はリビングに戻りながらはーいと返事を返すAを横目で見る。
隣に熊谷が居るのは気にはなるが普段は1人で使っている台所に誰かが居るというのは悪くない気がしていた。
裏(…普段は熊谷が使ってても何も気にならないんだけどな。)
リビングに戻って熊谷が作っていた途中の餃子を引き継いで作っていく。
兎「いやぁ、女の子が台所に立ってるってなんか良いすよねぇ〜。」
兎原は近くにあった缶ビールに手を伸ばすとカシュッと開けてごくごくと喉に流し込んだ。
『あっ!!兎原さん!まだ飲み始めちゃダメだよ!!』
兎「ヤべ!…バレた?」
『音で分かるでしょ!…今日はせっかく話ができると思ったのに。』
早速飲んでいる兎原を呆れながら見ると、その後にしょぼんとするA。まさに飴と鞭の使い方だ。
兎「うっ…わーったよ!その代わりに後で飲みに付き合ってくれたら俺、頑張れそうなんだけど?」
台所につながるカウンターに寄りかかると作業中のAに絡む。
『我慢できたらね。』
兎「しゃあねぇな。」
ふふっと笑うAの頭をわしわしと豪快に撫でた瞬間、熊谷から包丁を突きつけられ、後ろから裏道に首根っこを掴まれ後ろに引っ張られる。
兎「ちょっ、ぐえっ!?」
熊 裏「「近寄るな。」」
裏「ほーらウサオくーん。さっさと作り終えるぞー。」
兎「えっ、ちょ、Aちゃーん!!!」
ずるずると引きずられていく兎原。
『この光景も見慣れたなぁ…』
熊「調子に乗るから兎原をあんまり甘やかすなよ。」
『んーどうやったら潰れずに飲んでくれるかなぁ〜って。』
熊「ほっとけほっとけ。…こっち、終わったぞ。」
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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年9月4日 13時