この気持ちに名前をつけるなら【月刊少女野崎くん】 (ページ36)

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33話お嬢様、ご趣味は？6 ページ36

野崎はそういうとAの手を力強く握り、ぶんぶんと強めの握手をした。

「そしたら俺は料理の続きを作って来るから、食べながら今後の事を話そう！すぐ出来るからな！！」

ふんふんと鼻歌を歌いながらキッチンに戻っていく野崎。その姿が見えなくなると、Aの肩をちょんとつつく千代だった。

「私が言うのも何だけど、受けてくれてありがとう。
　ここ最近野崎くん本当に悩んでたみたいだから…。」
「そうだったんだね…でも本当に私でいいのかな？」
「大丈夫だよ！あんなに素敵なイラストが描けるんだ
　もん！！
　それに、Aちゃんと一緒にお仕事出来るの
　嬉しいよ！」

千代の屈託のない笑顔に不安が抜けていくのを感じる。
何はともあれ、やってみない事には分からないのだ。

「そっか…千代ちゃんも居るんだもんね。…うん！
　せっかくだし頑張ってみるよ！！」
「2人とも話している時に悪いな、夕飯できたぞ。」
「あ！ありがとう野崎くん！私お皿準備するね！」
「そしたら私も…」
「Aちゃんはまだ野崎くんのお家分からないでしょ？
　座ってて大丈夫だよー。」
「そうだな、物が何処にあるかはまた時間がある時に
　教えるから、今日は座っててくれ。」

2人から言われてしまってはどうしようもない。今日は大人しくお客さんとしていようかなと思った。

「分かった、ありがとう。」

(なんだかんだで千代ちゃんと野崎くんは仲がいいよなぁ…)

野崎と千代を傍目から見てAはしみじみと思った。そうこうしているうちに、いつの間にか目の前には美味しそうな食事が並べられていった。