【ま.ふまふ】雪の世界に求めるもの。―完―

爾後　それから数年後の世界 ページ45

告白してからまた数年が過ぎた。


高校三年生になった。
私はあれから大学受験のために勉強をして、心理学部へ進んだ。
私はまふにあの時救われた。だから今度は私が誰かの支えになりたい。そう願って。

まふは留学してたから外大に行くつもりだったらしいけど、私と同じ心理学部でも英語を使ったりするし、ほかの言語も学べるから同じ心理学部に進んだ。


それぞれ目指すことは違ったけれど、同じ学校だったし学部も同じだから気軽に会えたりして楽しかった。同じ授業の時は一緒に講義に向かった。


今はもうすでに大学を卒業している。
私は臨床心理士を目指すために大学院へ、まふは大手企業のマーケティングに携わる職に就いた。
二人とも大変だけど月一は必ず顔を合わせていた。あの一年間会えなかった時に比べれば一か月なんて辛くない。しかも今は電話で話せるから。
中々会えないけど、好きな気持ちはずっと変わらなかった。

そして、つい先日、プロポーズをされた。

勿論答えはYes。

親同士にもきちんと挨拶をした。まふの両親はすごく厳しい方なんだなって分かったけれどすごく優しい方ですんなりと結婚を認めてくださった。
私の両親は前よりは仲もよくなって雰囲気が明るくなっていた。結婚するって言ったら最初はぐずぐず言ってたけど結局は認めてくれて、何気一番張り切ってるのは多分うちの親だと思う(笑)


結婚式は、婚姻届けを出す日は私たちが最初に出会った日にすることにした。


後から聞いた話だけど、あの出会った日にまふは公園で死ぬつもりだったらしい。そこで私に出会って死のうにも死ねなかったんだって。今から思えばあの日に私が公園にいてよかったな〜って思う。


私はその数年後のその日に命を一回断とうとした。
でも、後悔はしてないよ。あの出来事があったから私はこうして人見知りを克服できた。笑えるようになった。優しさに触れる事が嬉しくなった。夢を持てた。幸せだって思えた。

生きようと思えた。

あの日が、あの出来事があったから今の私がある。

夢も希望も未来も何もなかった私でも今では幸せな日々を送っている。

だからあの世界にいたみんな。
名前、毎日思い出すようにしてるからずっと忘れないよ？
そらるさん、坂田さん、死魔さん、まふ。私がここまでこれたのはみんなのおかげだよ？

ありがとう。

さあ。今日はそんな結婚式の前日。今までの出来事を日記に書いてた。
明日はどんな一日になるんだろうね。

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