終局/第三十八話 笑顔が似合う世界 ページ41
『向こうの世界にいるときもまふのことしか考えてなかった。私ってまふで心の中ができてるみたい。
これって「好き」なのかな?私はまふがいないと生きていけない。ただそこにいるだけで幸せなんだって今気づいた。これって私はまふが好きっていうこと?』
好きってどういうことか知らない。
好きになるってどういうことなんだろう。
嫌いになられたことしかないからわかんないや。
ただ、あの世界に行って少なくとも変わったことがある。
笑えるようになった。
泣けるようになった。
優しさが嬉しいって思えた。
気持ちを言葉にできるようになった。
友達ができた。
生きてていいって思えた。
全部あそこにいたみんなのおかげ。
でも一番はまふのおかげなんだよ?
まふがいなかったら私は変われなかった。
『この気持ちが好きっていう気持ちなら私は幸せだよ。こんなに幸せなことはないよ。』
そう言うとまふはびっくりしたように顔を上げた。
『だってそうしたらまふと約束して、今日遊ぼうよ!とかできちゃうんでしょ?今まではさ、公園であったら話すだけだったからさ。』
まふが留学してからそんなこと最近なかったけどさ。
そう言うとまふは少し考えて話し始めた。
「ならさ、まだ好きじゃなくてもいい。友達から始めようよ。友達だってそうやって約束して、遊んでってできるからさ。それでさ、また一年後に僕に聞かせてよ。君の気持ち。」
まふは笑って言った。
まふと友達なんだ。
すごく嬉しい。
『なら一年後の今日、大晦日に私の気持ちを伝えたらいいんだね。今年は友達なんだね。嬉しいよ。ありがとう。』
外を見ると雪が舞っていた。
珍しく雲の間から月も出ていて、その雪は月光に照らされキラキラ輝いていた。
「実はね、もう留学しないんだ。今Aが行ってる高校に編入するんだよ!だからさ、毎日一緒に登校しない?そうしたら僕がAを守ってあげるから!
Aはもう一人じゃないんだよ!」
一人じゃない……。
その言葉が嬉しくてつい笑みをこぼした。
『うん!ありがとう。学校行くのが楽しみになった。』
「やっぱり………Aは笑顔が一番似合うよ。」
そういうまふはあの時別れたときのまふと同じ言葉、同じ笑顔で言ってた。
『まふも笑顔が似合うよ。』
そう返すと照れるように俯いた。
「……そっか!ならAが退院したらあけましておめでとうパーティしよう!」
『うん!』
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華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです! (2019年9月28日 14時) (レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました!!私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです!ありがとうございます! (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです! (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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