玖 /第三十一話 約束を守れた世界。 ページ34
死魔さんがいなくなった部屋で一時ぼーっとしていた。
あの死魔さんの過去について考えてみた。
きっと何かがあったんだろうなと思ったけれど何も分からなかった。
このままここにいるのもダメだと思ったからさっき死魔さんに言われたとおりにまふたちのところに戻ることにした。
大きな扉を開くと何かが私にぶつかった。
驚いて瞑ってしまった目を開くとまふが私に抱き着いていた。
「本当に良かった…。大丈夫?何もされてない?死魔さんはなんて?」
すごく心配をしてくれた。でもまふはそう言った後にはっとした表情を浮かべていた。
『もう死魔さんって知ってるから。大丈夫。』
そういうと安心したような表情を浮かべていた。
待っててくれてありがとう。
そう心の中でつぶやいた。
「ならこっちに来たってことは……もう生きる世界に戻ることにしたんだね。」
そらるさんがそう言った。
そっか。もう戻らなくちゃいけないのか。
私は今どうなっているんだろう。
まだあの公園にいるのかな?
あの公園で目が覚めるのかな?
あまり考えないようにしよう。
考えれば考えるだけ生きたくなくなる気がした。
「なら……生きる世界に戻る為には一度雪の世界に行かなきゃいけない。」
ああ。最初いたところか。
ならこの世界とも……そっか。
「他に何かこの世界で行きたいところとかある?」
そう聞かれてふっと思い出した。
緋袴(巫女装束の赤い袴のこと)の間に入れていた櫛を取り出した。
あのまま坂田さんとさようならするの?
櫛を見つめながら思った。
きちんと謝っておいた方がいい気がした。ごめんなさいって。
あんなに優しくしてくださったのにあんな態度でごめんなさいって。
だから坂田さんのところに行きたい。
『坂田さんのところ……行きたい。』
何とか口に出せた。
まふはふっと微笑んで「なら行こうか」って言ってくれた。
本殿の建物を出て、外に出た。
それからしばらく歩いていると坂田さんがいたお店についた。
「大丈夫?」
そらるさんは心配してくださったけどここで逃げるわけにもいかない。
そう思って首を縦に振った。
「頑張れ。」
そらるさんは頭をポンポンと優しくたたいた。
それで少し緊張が抜けてきた。心の中で「ありがとう」と言った。
そらるさんの顔が心なしか微笑んでいるような気がした。
「坂田〜?いる?」
まふがそう呼んで坂田さんを呼んだ。
坂田さんはすぐに出てきた。
玖/第三十二話 友達ができた世界→←捌/第三十話 自ら死を選んだ人しか来ることができない世界。
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華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです! (2019年9月28日 14時) (レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました!!私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです!ありがとうございます! (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです! (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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