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捌/第三十話 自ら死を選んだ人しか来ることができない世界。 ページ33

「Aが知らないこの世界のできる理はまだある。」


一旦間をおいて再び話し始めた。


「この世界ができる人の共通点は”自ら死を選んだ人”。それ以外の、病気で亡くなる人や事故死、他殺などの場合にはこの世界はできない。」


ああ。そうだったんだ。
自ら死を選んだ場合だけ…。


「病気でも、事故でも、何でもないんだ。Aはまだまだ生きることができる命を自ら断ったんだよ。なんで?その人たちの分まで生きようとは思わないの?」


死魔さんは悲しそうだったんだ。
ただ、私には理解ができないことなんだと悟った。


『私は……これからどうしたらいいんですか?』


少しの沈黙が訪れた。


「今Aは元の世界に戻って、このまま寿命が来るまで生きようと思うのか。これからきちんと生きていく自信があるか。ないならAは今すぐに死んでもらう。」


そう言って切り捨てられた。


今からきちんと生きていけるのか…。


そんなこと わからない。


ただ、そんな私にも生きる価値があるのなら、



もう一度ちゃんと生きたい。



「なら、もう外に出て。もう会うことはないだろう。次会うようなことがあったら絶対にあったらいけんからな。」


そう言って死魔さんは立ち上がった。


ちょっと待ってほしい。待って。


『待って!』


少し大きい声が出てしまった。
そう声をかけると振り向いた。


「ほかになんかあるんか。」


少し睨まれた。
その目に少しひるんだけれどきちんと聞きたいことを聞いた。


『どうして………死魔さんは、私と初めて会ったときに名のならなかったんですか?』


理由は思いついたけれど、本当にそれであっているのか確かめたかった。


少し沈黙が訪れた。顔を合わせまいとするかのように死魔さんは後ろを向いた。


「Aが思っている通りと思ってもらって構わない。」


なら、ただ単純にあの時は死魔っていうことがばれたくなかったっていうことでいいんですか?
本当に?私は違う気が…


「いいから黙れ!」


ただそう一喝するだけだった。


『私は何も話していません。』


意地悪だと思ったけれどそう言い返した。


「もういいんだよ。ほおっておいてくれよ。早く帰れ。元いたところへ。真冬に聞けばちゃんと帰り方を教えてくれるから。ならさようなら。」


それだけ言うと死魔さんはどこかへ消えた。

玖 /第三十一話 約束を守れた世界。→←捌 /第二十九話 生きる資格も死ぬ資格もない世界。


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華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです! (2019年9月28日 14時) (レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました!!私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです!ありがとうございます! (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです! (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華奈 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月12日 23時

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