【ま.ふまふ】雪の世界に求めるもの。―完―

陸／第二十四話　死後の世界に求めるもの。 ページ26

先生だっていじめの標的になる。
だから学校の先生にだって助けは求めない。求めても何の解決にもならないから。
ただ単に

「なんでチクるわけ？まだこれ以上酷いことしてほしいの？」

そんな風に言われるのは目に見えているから。



そんな毎日に嫌気がさして死後の世界へ行けば私は変われる気がしたんだ。馬鹿げた考えだって思ってくれてもいい。私にはやりたいことも、行きたいところも、欲しいものも、何も、なかった。

その日、私は大量の睡眠薬を買ってきて夜、外の公園で飲んだ。
私がよくいた公園。そんなに人もいない。静かなところ。


最初は家で死のうかと思った。でも、あんなろくでもない思い出もない家で死ぬのは嫌だったから。
思い出のたくさんある公園を選んだ。


最後の思い出を残したかった。

ここで私が死んだっていう思い出。


ここで死ねばここの公園は自 殺者が出た不の公園として人が近寄らなくなる。そう思った。
私の死んだという思い出を残してこの公園はそんな歴史に残ると思った。


私が生きていたという証を残しておきたかった。ただ単にそんな理由。



雪の積もった月が輝くあの日。私は死んだ。

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