陸／第二十二話 変われない世界 ページ24
少しの間があき、紫の人は答えた。
「残念ながら俺は今Aが考えてる方法で楽にさせようと思ったよ。俺はこの世界では”死魔”って呼ばれとる。」
ああ。この人がやっぱり死魔さんか。
この人は危ない人なのか。悪い人なのか。今までにもたくさん人を殺してきた人なんだ。
そんな私の考えを遮るかのように死魔さんは話し始めた。
「ただ、俺は本当に悪人？もしかするとさ、それを望んでいる人もこの世の中には沢山いるんじゃない？実際Aもそれを望んで”いた”一人だったじゃない。」
何も、言えなかった。私だって死ぬことを望んでいた。死にたかった。
死ぬために来たのにこの世界に来て簡単に死ねないことを知った。
「今もしもAが望むのなら今すぐにでもこの世界から逃げ出せられる。もう生きることなんてしなくてもいいんだよ？あんな面倒なこと、する必要なんてない！
生きてて何になる？
みんなにのけ者にされ、いじめられ、家では親同士は喧嘩をし、相談相手なんていない。
一人なんだ。
そんな君にも優しくしてくれる人がいる。そんな時々出会う優しい人には冷たくしてしまい結局は避けられる運命。ああ、そうだ。この世界にはもう居場所はない。そう思ってAはここに来た。
でも、ここでも君は変われない！
こんな世界の端っこにきても、死ぬ一歩手前の場所にきても君は何も変わることなんてできない！
さあ。どうする？俺なら君が夢見た「死後の世界」に連れていくことなんて容易いこと。
そこに幸せがあるかなんてわからない。ただ、”進めばいいだけ。”
夢も希望も持てないあんな世界で一生を終えるか、今のうちにもう終わりを付けて、新しく生まれ変わって楽しい人生を送るか。どっちがいい？」
死魔さんは急かすように答えを求めてきた。
さっきとは豹変した死魔さんの言動が怖かった。
なんであんなに笑っているの？
なのになんで…………
あんなに悲しそうな眼をしているの?
私には分からない。
だから、おとなしく答えることにした。
『確かに。そうですね。でも、私はまだ死ねない。さっきまふと約束してきちゃったから。ちゃんと戻ってくるって。だからまだ死なない。』
そういうとその場が静まった。
物音ひとつしないこの世界に少し恐怖を覚えた。
ここまではっきりと「まだ死にたくない」そう思ったのはいつぶりだろうか。
勿論、もう生きるのは疲れた。あんな日々が戻ってくるのなら生きることは諦めたい。
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華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです！ (2019年9月28日 14時) (
レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました！！私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです！ありがとうございます！ (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！ (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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