参/第十五話 紫の人と話す世界 ページ17
私はその知らない人に抱きついたまま話した。
『一人が寂しいんです。辛いんです。今までこんなことなかった。なんでこんなに一人が嫌になってしまったんですか?もうわかんないです。』
こんなことになったことはない。
私はいつだって一人だったんだ。もう慣れてたはずなのに。なんで?
今までだって辛いことたくさんあった。
まふみたいに慰めてくれる人なんていなかった。
そうだ。私はいつだって一人を”自分から”選んでたんだから。
それなのになんで今更…。
そんなことを考えてたら私が今抱きついてる人が話しだした。
「孤独ってな、慣れるもんじゃないんやで?逆にゆうたら慣れちゃいけんものなんや。慣れてたと思うたはずやったけど、優しさに触れてそれが少し壊れてしまったんや。」
優しさに、触れたから?
なら、優しさに触れなければ、私は……
傷ツカナクテスムノ?
『っ………なら、優しさに触れなかったら私はもう辛い思いを、さみしい思いをしなくて済むんですか?』
「そうやで?優しさなんてこの世にあったらならんのや。本当に辛くなったら俺んとこ来いや。楽にさせてあげるから。本殿におるからいつも。分かった?」
この人は少し微笑みながらそう言った。
『あの……』
「何?」
この人から少し距離をとり聞いた。
『お名前、なんて言うんですか?』
気になった。ただそれだけの理由。
そう聞くと困ったように笑ってこう言った。
「好きな呼び方してや。名前なんてないから。」
その言葉を聞いて少し驚いた。
この人は本当に名前がないのか。嘘は言ってない目をしてると思った。
少し悲しそうな眼をしていたから。
『なら……紫の人でいいですか?』
「ネーミングセンスないな。なんかもっとカッコいい名前にしてやwww」
『そんなこと言うなら知らない人って名前にします。』
「嘘やわ。なら、優しさに触れんようにな。辛くなったら来てよ?」
『分かりました。』
まふが帰ってくるまでに、紫の人とはこんな話をしてた。
まふが帰る前に紫の人は帰っていった。
ーーーーーーー
良い子の皆さんは知らない男の人に抱き着いたりしてはいけません。←
肆 /第十六話 優しさに触れない世界→←参/第十四話 優しさに触れたい世界
ラッキーアイテム
革ベルト
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです! (2019年9月28日 14時) (レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました!!私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです!ありがとうございます! (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです! (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ