壱 /第一話 雪の世界 ページ2
「ねぇ。大丈夫?」
声が聞こえた気がして目を開いた。
そこには真っ白い髪で真っ赤な目をした男の子が私の顔をのぞいていた。
純粋に「綺麗」だと思った。アルビノってやつ?
黙っていた私に声をかけた。
「気づいた?」
うなずきながら彼の名前を聞いた。
『あなたは?』
「僕は真冬。まふって呼んで。君の名前は?」
真冬か。容姿にぴったりの名前だな。
素直にそう思った。
『なんとでも呼んで。』
名前なんて私にはない。
「ならAって呼ぶね。」
『……好きにして。』
なんでAっていう名前にしたのかはあえて聞かないことにした。
少し落ち着いてきて一つ疑問が浮かんだ。
『ここは何処?』
なんかすごい世界が真っ白に見える…。
「ここは君の心の中。」
『心の中?』
「そうだよ。言うならある種の「夢」みたいなものかな?」
死後の世界かと期待をしていた。
ならもう生きずにすんでたのに。辛い思いをせずに済んだのに。
もう生きる気力なんてどこにもない。
「君が望む死後の世界ではないけど、ここは死後の世界に通ずる通り道みたいなところかな?」
考えてたことを読まれるかのようにまふはそう言った。
死後の世界へとつながる道ってあれみたい。
『三途の川みたいな?』
「まあそんな感じ。人によって違うんだ。」
本当にあったんだ。そんなの。迷信かと思ってたな。
でもここは川じゃないな。
「川があるところもあれば雲の上だったり、森の中、水中とか。ここの世界は……」
『雪……。』
周りはみんな真っ白に覆われていた。ただ、雪の冷気が感じられない。
本当に雪なのかな。
「そうそう!雪。でも冷たくないでしょ?それは君の心の中で起きてることだからなんだ。」
心の中で起きてることなのに夢みたいに感じられないな。
それは置いといて、なんで私は雪なんだろう。
「きっと君に「雪」に対して強い思い入れがあるからじゃないかな?」
思い入れ……か。
『私はこの世界から出ることはできないの?』
「君が”本当”に望むなら。いつだって出ることはできるよ。どっち側にも行くことはできる。」
どっちにも行ける…か。私が行きたい方向は一つしかないな。
でもまだ今はいいか。ここで少しゆっくりしよ。
「そう思ってるなら少し休んでいきなよ。僕は歓迎するよ?」
『なら、少しここにいさせてもらいます。』
ここの世界に少し興味がわいたし。
「なら、僕の家に招待するよ。」
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華奈(プロフ) - みぃさん» 遅くなりすみません、読んでくださってありがとうございます、感動していただけて嬉しいです! (2019年9月28日 14時) (レス) id: e9673d1453 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - これを見た時、心が動かされました!!私も色々あってとても辛い時に見まして、勝手に涙が溢れて来ました。この物語を作って下さってありがとうございました(^^) (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 訳)I was saved in your smil 私はあなたの笑顔に救われました Happy Birthday Mr' mahumahu 誕生日おめでとう まふまふ! I'm really happy that you here ここに居ることを本当に嬉しく思います 勝手に訳してすみません (2019年8月25日 11時) (レス) id: 1278da2542 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 心愛さん» それは良かったです!ありがとうございます! (2018年11月30日 23時) (レス) id: c9d3152c02 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです! (2018年11月30日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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