【H×H】独り娘のWaltz 終焉-エピローグ-1 (ページ7)

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7話　顔いいなページ7

髪がとがった緑の服のいかにも強化系らしき少年は、丸い目で私を見つめる。

おい前見ろや余裕かよてめえも。

キ「まあ、こいつオレの知り合い。Aっていう変人」

A『否定はしない。否定はしないから早くそれよこせ』

キルアからスケボーをひったくり、バランスをとり走り出す。

ああ、凄い楽。

どうしてあの男は始めから私に貸してくれなかったのだろうか。

私のことが嫌いなのか。

昔から散々遊んでやってるのに。

イルミんに洗脳されてしまえ。←

「聞いてんのかお前！！」

ひとりでつらつらとキルアへの悪口を並べていて、誰かが私を呼んでいることに全く気が付かなかった。

全く。

誰だよ呼んでるの名前ぐらい呼べよと後ろを振り向くと、

上裸なのにも関わらず胸にナンバープレートを付けているサングラスの人と、
金髪の性別詐欺かと思われる程女顔の美少年(？)

が私を見ていた。

A(顔いいな…)

というか、今までは後ろを振り向いたところで走っている人は誰一人としていなかったという圧倒的最下位だったのに、今は私より後ろを走る人がいる。

自分の足って役に立たないな。

ありがとうキルア君今まで会ってきた人の中でいちばん好きかも知れない。←

A『Aです。キルア君の知り合い』

レ「オレはレオリオだ」

ク「…クラピカ」

お前らも自己紹介してられる程余裕あるんじゃねえか。

辛そうなのは形だけか。

レ「てか、お前も走れよ！！」

A『走れないから』

ク「Aも私と同じくらいの年齢だろう。ひとりで来たのか？」

A『うん、ひとり。お兄ちゃんたちから脱走してきた』

ク「脱走…」

A『クラピカはレオリオやあの緑の子たちと来たんでしょ？』

ク「ここに来る途中で会ったんだ」

A『クラピカってイケメンだよね』

ク「え？」

A『あっ』

誰とは言わないが私のお兄ちゃんも金髪だ。

でもクラピカよりだいぶ性格が悪いだろう。

だから(その兄に育てられた)私もこんなに口が悪いのだ。認めよう。

それにしても、「イケメンだよね」は禁句だったのかも知れない。

今まで散々「お兄ちゃん大好き」「団長髪下ろした方が絶対かっこいいよ」など、相手にとっては恐らく嬉しいのであろう言葉を並べてきたから、感性の違いに気が付かなかった。

まあいいや。

…実兄じゃないから言いやすいのかも。