23話 愉快犯と交換条件 ページ23
もしや、この人のターゲットが197?
丁度いい。
交換すればいいだけじゃん。
A『ねえ』
ハ「うわあっ!?なんだお前急に!?」
A『えーっと……うん、思い出せない。まあいいや、294番さん。私今197番持ってるんです』
ハ「なにっ!?本当か!?」
A『おもんない嘘なんてつきません。そこで、今貴方が持ってる198番とトレードして貰いたいんですけど』
ハ「なっ、何故オレが198を持っていると……!?」
A『まあ、色々あって。トレードして損はないでしょう?ほら、198ください』
ハ「……いや、そっちが先だ」
A『やだよ。早く渡して』
ハ「いや、」
A『早く』ギロッッ
ハ「ヒッッ…怖。ほんとに女かよ…」
294番さんは、少々文句をたれながら私に「198」を投げ渡した。
A『…うん、198番確かに受け取りました。それじゃ』
ハ「ちょっと待てえええええええーーーーっっ!!!!」
A『え?』
ハ「交換条件だろうが!!オメーの分よこせよ!!」
A『えーでもそれじゃおもんないし』
ハ「おもんないも何もねーだろ!!話が違えぞ!!」
A『そういうこと愉快犯に言ったらダメだよ。最初からこっちは交渉なんてする気ないし』
ハ「愉快犯ってなんだよ!!面白けりゃなんでもいいってか!?」
A『はあ、まあ。でも大丈夫、心配しないで下さい。最終日の試験終了2分前ぐらいには渡すつもりでいるんで』
長くなりそうだったので、私は彼の叫び声を無視して元来た道を戻った。
試験終わるまでなにしようかな。
お兄ちゃんに捕まったときの言い訳のレパートリーでも考えておこうかな。
あ、待った。お風呂どうしよう。
後日、私はちゃんとあの人に197のプレートを渡した。
以前の私の言葉が信用できなかったらしく、彼の手には多くのプレートが握られていた。
渡すって言ったのに。
まあ、他人の言葉は普通信用しないのが正解だ。
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作者名:ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時:2023年3月17日 13時