37話 みる夢 ページ37
A『そんなの、私がいちばん知りたいよ……』
ク「…A？」
A『っじゃあさ、私からも質問。どうしてクラピカはそんなに私に気を遣ってくれてるの？』
ク「えっ、どうしてかって、それは……」
ああ、
ク「どうして、だろうな……」
やめてよその顔。
A『クラピカ……』
ク「その、改めて聞かれると、答えづらいな……」
A『っ、じゃあさ、次会うときまでに、お互い答えを見つけておこうよ。それで、出た答えを会ったときに伝え合う。でないと、私たちお互い帰れないよ』
ク「そ、そうだな。よし、そうしよう」
自分をちゃんと保つ為にも。
ク「近いうちに、また、2人で会えるといいな」
A『えっ！嬉しい！会いたいね！』
駄目だ。
情緒がおかしくなっている。
だからか？
クラピカに頬を触られても嫌に感じないのは。
A『えっ……クラピカ、？』
ク「君は、素敵な女性だよ」
ああ、駄目だ。
早く帰らないと。
自分の為にも。
A『あ、ありがとう…』
私の気持ちを知ってか知らずか、飛行船のアナウンスが館内に響く。
A『じゃ、じゃあ、これ、私が乗る奴だから』
ク「ああ。それじゃあ」
A『クラピカ』
せめて、せめて。
私がクラピカの方に広げて出した両手。
クラピカは困惑し、そして私と手を合わせた。
指を絡めて。
指を絡めて！？
A『ちょ、クラピカ！？ハイタッチだよハイタッチ！！』
ク「ん？ああ、そうだったのか。でもまあ、これでもいいだろう？」
A『またそういうこと言う……』
夢を見るのは自由だから。
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作者名：ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時：2023年3月17日 13時
