14話 少し帰りたいかも ページ14
「やあ」
A『……』
「はは、これを取れば分かるかな」
そう言い、相手は被っていたフードを脱いだ。
…誰だこいつ。
A『記憶にない』
「そりゃ残念。まあ当たり前か」
にやにやと怪しい笑みを浮かべる少年。
「だって君は、あのとき周りの人間全員を惨さ
ざしゅっ
「はっ……」
ああ、分かった。
あの日あの時、私が滅ぼした町の生き残りか。
私、全員殺してなかったんだ。
そのとき私は正気を失っていたからそんなこと覚えていないけど。
「ああっ、ああああああああああ！！！！」
A『それ以上喋るようであれば、文字通り更に口裂けるけど』
理解した途端、私は-大鎌-を具現化していた。
突然現れ相手の口を裂いた大きな鎌に、周りの人間は言葉も出ない。
私は相手に近寄る。
膝をつき嗚咽する相手の前に屈むと、顔を上げた相手と目が合う。
A『あんた、同い年だね。生き残りか』
「ああっ、ああああ……」
A『私のせいで人生壊された、か』
A『誰のせいだと思ってるんだか』
それだけ言って相手の額を押すと、相手は簡単に倒れた。
敵味方、全員の視線が私に刺さる。
当然だ。
今までニコニコヘラヘラしていた奴が目の前で人を殺したのだ。
ああ、
少し帰りたいかも。
＊＊＊
能力��鎌を具現化できる(大鎌はひとつ、それ以下のサイズは際限なし)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時：2023年3月17日 13時
