ブーゲンビリア【黒】

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しつこいなとその様子を見つめていた私と向井くんだったが、その場に残された上野さんの残念そうな表情には流石に同情した。









あんなに猛アタックされているのだから髪型くらいは覚えていてもいいだろうに。









向「なんか居心地悪いし、さっさと帰ろうや」









『そうだね』









立ち尽くしたままの上野さんを残し、そそくさとその場を離れた。









その時、上野さんが私の背を射止めるような目で追っていたのにその時は気づかなかった。









向「じゃ！お疲れさん！また明日な！」









『うん！お疲れ様』









向井くんと別れた後の帰り道、今日あった出来事を思い出してみる。









私の体調の変化に気づいた目黒くん、









上野さんの明らかに変わった髪型に気づかなかった目黒くん。









人のことをよく見てるって証言とは反する行動。









(目黒くんってもしかして上野さんのこと苦手なのかな)









そりゃあんなに熱烈に来られたら苦手にもなるよな、と腑に落ちた私はそう思っておくことにした。









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