ブーゲンビリア【黒】

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朝の8時。
毎日決まった時間に家を出る。
いつも通る道を歩いて、いつも通りの時間の電車に乗って、いつも通りの時間に出社する。









『うん、今日も一番乗り』









まだ暗いオフィスの照明をつけて、デスク周りの整理をしていれば、









『おはようございます、岩本さん』









岩「おはよう、相変わらず早いな」









湿気でいつもより髪のクセが出ている岩本さんが目の前のデスクに座った。









そして、









『おはよう、向井くん』









向「岩もっさんにAちゃん！








おはよーさんです！」









謎の決めポーズを披露しつつ、私の右隣のデスクに座る向井くん。









その後もぞろぞろと出社してきて勤務時間まであと5分くらいのギリギリの時間。









ガチャン！と大きな音を立てて扉が開いた。









岩「おい、時間ギリギリだぞ目黒」









目「あっぶね……遅刻するところだった…、







おはようございます」









向「めめおはよーさん！









あとそのセリフ毎日言ってるんちゃう？」









少し息を切らしながら現れた目黒くんは私の左隣のデスクに座った。









目「A、おはよ」









目を合わせて爽やかな笑顔を向けてくれる目黒くん。









その爽やかさには似合わない甘ったるい香水の匂いがふわりと香った。









『………、おはよう』









モデルみたいな高身長に甘いマスク。会社中の女の子からモテモテ。









結構遊んでいると噂の彼が私は苦手だ。









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