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…
「なんとなくだけど、
佐久間がAちゃんのこと気になっちゃう気持ちがわかるよ」
深澤さんの虚ろな目が優しく細まった。
「俺はね、佐久間にもAちゃんにも良い方向に進んで欲しいなって思ってる。
だからこの深澤さんがひと肌脱いであげようじゃないか」
『え？』
パンツのポケットから取り出されたスマホ。
深澤さんは慣れた手つきで電話をかけ始めた。
「あー、もしもし？
ごめんね、もう関係ないのに電話かけちゃって」
そのまま立ち上がって店の外に出た深澤さん。
(急に電話かけてどうしたんだろう)
突然取り残されて唖然としてれば、
深澤さんはやけにやり切った表情で戻ってきた。
「俺はそろそろ帰るけど、
Aちゃんはここで待っててもらえる？」
『？
なんでですか？』
深澤さんは薄い唇を引き上げるようにニヤリと微笑んだ。
「もうちょっとしたらね〜
今、君が一番会いたい人が来るよ」
…
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作者名：虹バラ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/royal_myrt25
作成日時：2021年9月17日 18時
