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…
『佐久間さん、ありがとうござ＿＿＿』
立ち上がって佐久間さんに駆け寄るが佐久間さんは私を避けた。
「じゃあこれ、今日の分ね」
私からのお礼を遮るように、佐久間さんはラウに大きなカバンを差し出す。
「は、はい…」
ラウは驚いて目をまん丸にしたが、しっかりと受け取った。
そして佐久間さんはこちらに背を向けて店の出口へと向かっていった。
『待って！佐久間さん！』
慌てて立ち上がって走る。
急いで追いかけてその鮮やかな腕を掴んだ。
このままどこかにいってしまいそうな気がして、不安で仕方がなかった。
『なんで目を合わせてくれないんですか…？』
いつもはどんな小さな会話でも目をまっすぐに見てくれる。
両肩を掴んでこちらを向かせれば、暗さと憂いに塗れた瞳と目が合った。
『佐久間さん＿＿』
「もう、来ないから」
佐久間さんはいつも通りの笑顔を作ってそう言った。
…
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作者名：虹バラ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/royal_myrt25
作成日時：2021年9月17日 18時
