短編集【雪】

赤み【青】 ページ42

…









『おお……凄い……！』










翔太に勧められたスキンケアセットを使い始めてかれこれ１ヶ月くらい経った。











ずっと悩んでいた肌の赤みが引いてきて艶も増し増し、どんどん調子も良くなってきた。










『ふふっ、翔太にも負けてないんじゃん？』










鏡の中の自分を見てちょっとドヤ顔をしてみれば、










翔「へー、そんな大口叩けるようになったんだ」












『ふぇっ？！』










私の肩に微かな重み、鏡越しに翔太と目が合った。












私の肩に顎を乗せ上目遣い、鏡越しでも悔しいほど可愛くて心拍数が上がる。













『しばらく仕事で来れないんじゃ無かったの？』











翔「うん、そうなんだけどさ









明日の入り時間ちょっと遅いから










顔だけでも見せてやろうかなって思ったわけ」
















その言葉の後に、翔太は私を後ろから優しく抱きしめた。













翔「はぁ〜











ほんとお前に会うの久しぶりすぎて無理」














私の首筋に顔を埋めたと思ったら、首に微かな痛みが走った。










『……っ？！』











嫌な予感がした。











翔太をやんわり引き剥がして首筋を確認すればしっかりと赤い跡が付いていた。











『ねぇ、ちょっと！












こんな目立つところに付けないでよ！！！！』













翔「いいじゃん、別に」













得意げにニヤけてる翔太、あまりに嬉しそうにしてるからなんだか責める気持ちも収まってしまった。












・









『そういえばね、翔太がくれたスキンケア続けてたら肌の赤みが治まったんだよ』













翔「え、まじ？」













同じソファで寛ぎつつ報告をすれば、翔太は身を起こして私の顔を間近で見てきた。












『えっ、何？近いんだけど……』












翔「赤み引いたって言ってるけど、












今めっちゃ顔真っ赤だよ











久しぶりの俺にちょっと照れちゃってんの？












可愛いとこあんじゃん」












そう言ったあと、翔太は軽いキスを落とした。












さらに顔が火照る感覚、きっとまた顔の赤みは増しているだろう。












『私の顔の赤みの原因翔太じゃん…………』













ボソッとそう呟けば翔太はまた嬉しそうに微笑んでいた。






…

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