短編集【雪】

ご褒美【黄】 ページ6

…





『くぅ……っ！！！』





1人部屋の真ん中で息を漏らす。





『あと、5回……！』





同棲している彼氏、照に感化されて始めた筋トレ。






取り敢えずこのだらしないお腹を引き締めるべく腹筋に励むことにした。







『……ぜろぉっ！！！！』








なんとか一日の目標の30回を終え、肩を揺らして大きく呼吸をする。









照「おっ、頑張ってるじゃん」







仕事から帰ってきた照がワイシャツ姿でこちらに来る。







片手でネクタイを緩める仕草がなんとも絵になった。






照「どうですか？筋肉の調子は」







『なかなか成果が出ておりません……！』







そう伝えればTシャツを軽く捲られ、お腹の肉をつつかれた。








照「うん、そうだな。



随分と可愛らしいお腹だわ。」








『自分がムキムキだからって失礼な！』








そう返せば目が無くなるくらいにニコニコ笑顔で笑った照。








照「ごめんごめん笑





そういえば！

今日、駅前のケーキ屋さんで美味しそうなのがあったから買ってきちゃった〜」








やけにテンションが高いのはそのせいか。







冷蔵庫を覗けば美味しそうなチョコレートケーキが2つ入っていた。








照「あとあそこの並びのカフェにもこの前新発売のチョコレートパフェがね……」








目をキラキラさせながら大好きなチョコレートについて話す照。








(私のこのお腹ってもしかして照が生成したんじゃ……？




でも当の本人はなんで太らないんだ……？！)








私のお腹と照のお腹を交互に見比べればさらに深まる謎。





照「ふふふっ笑」






チョコレートケーキを眺めてニッコニコの照。






(なんか、この笑顔見たら何もかもどうでも良くなるな)





照は特殊な体質なんだと割り切り、これは毎日頑張る私へのご褒美だと思い込み、チョコレートケーキを頬張った。





…



━━━━━━━━━━━━━━━


既読感覚で1番右の星を押して評価して頂けると嬉しいです！


ぜひよろしくお願い致します！

本当は【黒】→←恥ずかしがり屋【白】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す