扇風機【紫】 ページ26
…
五連勤を終えたあとの土曜日、
最近越してきたばかりのこの部屋でゆったりとした時間を過ごせるのは初めてかもしれない。
でも最悪なことに、
まだエアコンの取り付けが終わっておらずかなり暑い。
『暑っつい…………、
ちょっと離れてよ…………』
午前10時、昨夜夜遅くまでゲームをしていたからさっき起きたばかり。
ただでさえ寝苦しい暑さだったのに辰哉が私を抱き枕のようにしているからさらに暑い。
辰「いいじゃん別に……離れたって暑いのに変わりはないでしょ」
『離れた方が明らかに涼しいでしょ』
辰「んな事言ったって久しぶりの2人揃っての自由な休日だぜ?
くっつく他ないだろ」
『…………』
辰「ふふっ、言い返せなくなっちゃったの?」
『うるさいバカ辰哉』
辰「ちょっと……いつも以上に冷たいじゃん……」
『暑いし冷たいくらいが丁度いいでしょ』
辰「ちょっと上手いこと言わないでよ〜〜」
そう言うとパッと私の体を離してどこかへ歩き去っていった辰哉。
『えっ、辰哉……?』
辰「…………」
後ろから声をかけるも振り返らずにどこかへ行ってしまった。
なんだか物寂しい気持ちになっていると、
辰「実はこれ頼んでたんだよね〜、やっと届いた」
最新型の扇風機が入ったダンボールを抱えた辰哉が現れた。
辰「今日の午前中に届くって言ってたからさ、置き配にしておいてたのよ」
スマホのお届け完了メールを得意げに見せてきた辰哉。そのまま慣れた手つきで開封していきあっという間に寝室に設置した。
『わっ、涼しい』
部屋の中の空気が一気に爽やかになる。
音も静かで寝る時にも良さそうだ。
辰「でしょ?めっちゃ良いなって思ったのよこれ!」
ひと段落が着いたあと、
布団の上に寝そべったままの私の横に辰哉はまた戻ってきてさっきと同じ状態に。
辰「どう?これならこうしてても暑苦しくないでしょ?」
『まぁ……うん…………』
辰「ふはっ笑 素直じゃないねぇ……
そんなとこもかあいいけど笑」
悔しいけど辰哉には敵わないな、とふとそう思った。
…
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虹バラ(プロフ) - かなさん» ありがとうございます!これからもご覧頂けると嬉しいです! (2022年4月12日 10時) (レス) id: dbf5e0dd75 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - どのお話の展開もだいすきです!これからも楽しみにしてます! (2022年4月12日 7時) (レス) @page45 id: 6205cccaf8 (このIDを非表示/違反報告)
虹バラ(プロフ) - まーこさん» そう言って頂けるととても嬉しいです、ありがとうございます!今後ものびのびと更新させて頂きますので目を通していただけると幸いです。 (2021年7月29日 22時) (レス) id: 1845cbb327 (このIDを非表示/違反報告)
まーこ - いつも楽しく読ませていただいております!虹バラさんのお話は読むとほっこりして全部大好きです(*´`*)お忙しいとは思いますがお身体に気をつけて頑張ってください!これからも更新楽しみにしております。 (2021年7月24日 13時) (レス) id: d4589aaf02 (このIDを非表示/違反報告)
虹バラ(プロフ) - 美紀さん» お優しいお言葉ありがとうございます!今後も作品は続けていく予定ですので目を通していただけると幸いです。 (2021年7月9日 22時) (レス) id: 1845cbb327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹バラ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/royal_myrt25
作成日時:2021年3月7日 9時