穏やかな仮面【緑】

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…








ついストレートに聞いてしまいハッとする。









(阿部さん固まってる、絶対困ってるじゃん…)









『ごめんなさい、今のは聞かなかったことに…』









阿「俺、Aさんのこと好きなんだ……」









俯き気味でボソッと呟く。









聞き取りにくかったが、確実に言われた好きという言葉。









唖然としていると、阿部がこちらを向いて目を真っ直ぐに見つめてきた。








少し奥ゆかしさを持った三白眼が私を捕らえて離さない。









阿「だからAさんと少しでも長く一緒にいたくて関わろうとしてたのかも。








ごめんね、急にこんなこと言って。」









真剣な表情から伝わる、阿部の気持ち。








『いえ、そんな謝らなくても……』








阿「ふふ、ありがとう。」








急に告げられたストレートな思いになんて返そうか迷っていると、









阿「返事とかは要らないから、









今まで通り仲良くしてくれると嬉しいな。」









阿部が優しく微笑み、そして頭を撫でてきた。









どこまでも優しくて気遣いの行き届いている阿部の行動や言動にいつの間にか心の壁が壊されていたらしい。









不意に目頭が熱くなり、涙が溢れ始めた。









『……っ、ごめんなさい』









阿「大丈夫だよ。」









ふわっと抱き締められ、直に感じる阿部の温かさ。









そのまま涙が収まるまで頭を撫で続けてくれた。








…

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