穏やかな仮面【緑】

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…







阿部side









無事連絡先も交換出来たし、







一日を通して少しは距離感を縮められた気がする。








阿「少しは僕のこと意識してくれてるのかなぁ」









せっかく縮めた距離感をまた広げたくなくて、





当たり障りのないお礼のメッセージを送った。








すると、案外直ぐに返ってきた返事。









既読をつけたがどう返そうか迷う。









(会話は終わらせたくないし……







どう繋ごうかな……)








ありきたりなご飯の話にしてみればそれが大ヒット、






まさかの展開だった。








阿「Aさんの料理が食べれるの……？！」









後先考えず食べたいと答えてしまったが、









少し経って冷静に考えてみればあまりにも烏滸がましい行動だったと気づく。









まだ仲良くなってきてる途中なのに、









夜中に家に押しかけてご飯までご馳走になるなんて、






あまりに急すぎる。









阿「せっかく仲良くなれそうなのに、






なんで焦っちゃうかな俺は……」









頭を荒く掻きむしり、大きくため息を吐く。









取り敢えず断ろうと直接謝りに行けば優しさで家にあげてくれ、







美味しい料理までご馳走してくれた。









(なんて優しい人なんだろう……)









話には聞いていたけれど、あまりにも優しいし気遣い屋さん過ぎる。









こんな人に傷を追わせたあの人は本当に許せない。









この人を自分の手で幸せにしたい、







前から思っていたけれどより一層強まった。






…

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