憧れの先輩は目が見えない (ページ9)

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6話です。ページ9

宮路side
今日は優樹が部活に来てくれた。
正直言うと嬉しい..
多分嬉しいのは、ずっと家から出ずに引きこもっていてやっと外に出てきたからもあるけど
また薙刀を始めてくれたことが一番嬉しいんだと思う.
ちょっと昔の話をしようかな...

岐阜県から引っ越してきた優樹はお隣さんだった。
時々出る岐阜弁が可愛らしかった..
私と優樹は小学生の頃から一緒にいた。私が薙刀を始めたら優樹も始めた。
常に私は一緒だった..
一緒に笑ったし、泣いたりもした..
でも、優樹は優しいから私の前では泣かなかった
その事を問い詰めたら
優(真春には心配掛けたくないから)
と、いつも笑顔で私に言った
高校も同じ高校に入った。
当然、薙刀部に2人とも入った。
厳しかったけど楽しかった
でもちょうどその頃、優樹が思い詰めたような顔をしていた
いくら聞いても
優(疲れてるだけ)
といつもの笑顔で私に言った。
でも気づくべきだったんだ..
帰る準備をしてたら..
女子生徒C[湊川さん、目に硫酸かけられて救急搬送されたって!]
女子生徒D[だってあの人いじめられてたんでしょ?]
えっ?
優樹が..いじめられてた?..
嘘だ..嘘だ..
宮[嘘だっ!]
女子生徒C[み、宮路さん?]
宮[ねぇ、優樹が搬送された病院ってどこ?]
女子生徒C[○○病院だけど..]
宮[わかった..]
今思うと正気じゃなかったんだと思う..
部活にも行かず、学校にも行かず、家に引きこもっていた..
この前までの優樹と同じだ
でも、そんな時、背中を押してくれたのが、弟の夏之だった
夏[姉ちゃん、いつまでうじうじしてんの]
真[だって私のせいで優樹が..]
夏[意気地無し]
真[えっ?]
夏[姉ちゃんがそんな弱い人だとは思わなかった]
真[何だって]
夏[俺に言い返したいなら学校行け。んで、優樹さんのとこ行ってこい。
　お見舞い、一回も行ってないんだろ？]
夏[優樹さん、寂しがってたよ]
夏[まぁ、明日は行けよ]
真[分かった..って夏之お前何優樹のお見舞い行ってんの!]

夏之が背中を押してくれたから今の私がある
私は優樹の背中を押さないとな...

明日も部活来てくれるかな..