六年生の実戦的実習の段 7 ページ8
『っと、こんなもんじゃないかねぇ?』
数分後、満足そうに笑いながら龍之介が四人から離れる
仙蔵「ちゃんと直視出来るようになったな」
伊作「さすが二人とも!器用だね!」
三人の前には、きれいに化粧されて先程までと同一人物とは思えないような出来になった四人の姿
『小平太は快活そうな見た目だから、濃い化粧をすると顔面がうるさくなってしまうからね。日焼けした肌を隠したら、後は薄い自然な化粧くらいでいい』
仙蔵「長次は顔の傷を隠して目付きを穏やかにさせて、がたいを隠すような服。これで物静かそうなご令嬢の完成だ」
伊作「留さんは目尻を下げる化粧だね。それ以外はあんま手を加えてない感じだね?」
『素材を隠さないで、そのまま使った方がいいと思ってねぇ。白粉を塗った後はそのままと言っていいだろうね』
仙蔵「文次郎は目元の隈を隠して、眉間のシワを隠して、目尻を下げて、肩幅を誤魔化して…。まぁとにかく隠したな!」
文次郎「一言余計なんだよ!」
批評会を始めた三人に文次郎が噛みつく
が、
『そんな女子の格好で怒られてもねぇ?』
仙蔵「迫力は削れるな」
伊作「化粧って凄いんだね…」
全く効果はなかった
長次「三人とも…ありがとう…モソ」
仙蔵「気にするでない、長次。では私も…」
仙蔵が自分の忍者服を掴んで引っ張る
バサッと広がったそれが地面に落ちると、そこには美女に化けた仙蔵の姿
『さすが、元が中性的な奴は女装が楽だね』
小平太「龍之介と伊作は、まだ潜入しないんだよな?」
パチパチと手を叩く龍之介に小平太が聞く
『股かっぴろげるのやめくれるかな、小平太。そうだね、僕は遅れて入る。伊作はここよりさらに離れたところで待機。僕は潜入まではここ周辺で君らを見てるから、指示は笛で出す。鳥の鳴き声に似ているから、よく聞き分けてくれ給えよ?』
息をするように小平太を注意しつつ龍之介が今回の忍務の諸注意をする
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作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時