補習授業を回避せよの段4 ページ39
喜三太「金吾ぉ、本当に先輩たちと会ったら、その木刀で戦うのぉ?ぼくはナメクジさんたちを投げようかと思ってるけど…」
金吾「もちろん!だって、武器を使っちゃいけないだなんて言われなかったし、きっと先輩たちだって何かしら持ってるよ!」
危ないよ〜…、と弱気になる喜三太と反対に、血気盛んな金吾
金吾「きっと、どこかに隠れてらっしゃるんだ…」
喜三太「ナメクジさんたち、分かるぅ?」
そう言って喜三太が手に持った壺をのぞきこむ
金吾「喜三太!よそ見してると、ハチマキ取られるぞ!」
『その通り〜』
「「!?」」
突然近くから聞こえてきた龍之介の声に驚いた二人が飛び退く
すると、端を掴まれていたハチマキが引っ張られ、ほどけてしまう
『はい、二枚げっとぉ〜!』
二人がハッとして振り返ると、龍之介が逆さに木から紐でぶら下がって、手には二枚のハチマキを持って笑っていた
喜三太「先輩、それどうなってるんですかぁ!?」
『え?義足も鉤状のものに交換して、それに紐をくくって…』
金吾「うわぁ…上からかぁ〜!って、先輩、鈴はどうしたんですか!音が全然…」
『あぁ、これ?』
そう言って龍之介が左の手を開くと、中から鈴が出てきてチリンと音がなった
手首に固定された紐はそのままに、鈴の部分だけを手で握って、音を殺していたのだ
喜三太「そんなのアリなんですかぁ〜!」
金吾「うぅ…」
『人にナメクジをぶっかけようとしたり、木刀で頭をかち割ろうとしてた奴らに言われたくないのだけど…』
苦笑いの龍之介が、それじゃあと言ってするするとまた木の上に戻っていった
少しして、ガサッという音を最後に気配が消える
二人が上を見ると、そこにはもう龍之介はいなかった
金吾、喜三太 脱落
56人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時