改-塀登りができないの段6 ページ34
きり丸「じゃあ…」
そう言ってきり丸が門の方を見上げると、饅頭を一個だけ渡されてガックリと膝をついたしんべヱが見えた
『さすがの僕も良心が痛むわぁ…』
きり丸「いえ!これもしんべヱのためです!」
乱太郎「あっ!しんべヱが帰りますよ!」
苦笑いとともに龍之介が犬笛を鳴らす
と、しんべヱの近くの茂みからクロが現れた
「グルルルルル…」
しんべヱ「うわぁ〜ん!なんでぇ〜!」
乱太郎「あと少しの辛抱だよ…!」
きり丸「そうそう、塀登りが出来るようになるまでの…!」
『…(まぁ、そう最後まで上手く行くとも思えないけど…)』
龍之介は何か引っ掛かるものを感じつつ、二人の後を追って茂みから出て歩き出した
そして、忍術学園についた三人が慌てて忍者服に着替え、散々走りまわったであろうしんべヱの到着を待つ
きり丸「どうなりますかねぇ?」
『けっこう走ったとは言え、そんなすぐに痩せるわけでもないけど…』
乱太郎「先輩!山田先生をお連れしました!」
きり丸と二人で塀をたてながら話していると、乱太郎が山田先生を連れて走ってきた
山田「五十嵐…わざわざ一年は組のことに巻き込んですまんな…」
『いえ、どうせ一日暇でしたから』
乱太郎「あっ!しんべヱが帰って…き…た…」
「「『ん?』」」
乱太郎が途中で言葉をなくしたのに不思議に思った三人が、門から出て外をのぞく
きり丸「あぁ〜!」
山田「なぁっ!」
『おやおや…』
しんべヱ「…乱太郎、きり丸、先輩、山田先生…ただいま、帰りました…!(  ̄ー ̄ ≡☆)」
キラーンと効果音がつきそうな笑みを浮かべたしんべヱが、挨拶をする
体はスリムになっており、顔もキリッとしている
『…(どうやって等身まで伸ばしたんだろ…)』
山田「しんべヱ…その体は…」
しんべヱ「先生…僕、今なら塀登り、出来ると思います…!」
山田「よ、よし!やってみなさい!」
しんべヱ「フッ…分かりました…!」
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作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時