改-塀登りができないの段3 ページ31
『たとえば、乱太郎と同じ量を僕も食べたとする
乱太郎は一人前で十分なエネルギーを得られても、僕は違う
人より多く食べないと、体の中で必要なエネルギーを作れないの』
きり丸「不便な体っすね」
『おかげで食費も人の倍以上…』
きり丸「ガーーーン…」
ドケチのきり丸がショックをうけて項垂れる
『でも、いつだってそういうわけじゃいんだよ、しんべヱ。実習が控えているときは体を重くしたくないから、精々大盛りくらいにして、兵糧丸で耐えたり…』
しんべヱ「大盛り食べてるじゃないですか!」
『だって僕、片足の分、重さがないもの』
堂々と言い切る龍之介に、もう言い返すものがないしんべヱがぐぐっと言葉につまる
しんべヱ「Aランチの大盛り、たべちゃいけないの…?」
乱太郎「体を軽くするためには、食べ過ぎをあらためなくっちゃ」
しんべヱ「食べ過ぎをあらためるぅ?」
きり丸「そう!食べる量を減らす!」
しんべヱ「Aランチの大盛り食べて体軽くしちゃダメ?」
「「ダメ!」」
『食べて体が軽くなるわけないじゃない…』
呆れる龍之介と、怖い顔をする二人
乱太郎「わたしたちがしんべヱの体のことを真剣に心配してあげてるのに!」
きり丸「しんべヱ!お前は食べることしか考えていないのか!」
しんべヱ「そう言われると…食べることしか考えてない!」
『堂々と言うことじゃない…』
ずっこけた二人に変わって龍之介がため息をつく
しんべヱ「先輩は食べること意外考えたことあるんですか?」
『そりゃあ…』
しんべヱ「どんなことを?」
『色々と』
たとえば…とふと上を見上げた龍之介が「あっ」と言ってニヤリと笑った
そして、乱太郎ときり丸を引き寄せて何やら耳打ちをする
乱太郎「それ、いいですね!」
きり丸「俺も賛成!」
『よし、じゃあしんべヱ!今日はそのAランチの大盛り、食べていーよ!』
しんべヱ「ほんとですか!」
『うん、ただし、食後の運動として学園長先生からのお手紙を金楽寺の和尚さまに届けるお使いを、僕の代わりに行ってきてくれ給え』
しんべヱ「はぁーい!」
じゃあ、としんべヱに手紙を渡し、乱太郎きり丸と龍之介が食堂を後にした
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作者名:湊 | 作成日時:2023年9月22日 8時