検索窓
今日:20 hit、昨日:59 hit、合計:13,892 hit

危険な薬草取りの段 7 ページ24

その瞬間、龍之介先輩の肩に先程までなかったはずの矢が刺さっているのが見える

乱太郎「…え…?」

グラッと先輩だって体が揺れ、倒れる

ゆっくり隣を見ると、山賊の頭が狩猟用の強化された石弓…ボウガンを先輩に向けていた

「ハッ、て、手こずらせやがって…!この矢には毒が塗ってある…!もう動けねぇだろうよ…!」

そう震える声で言っている山賊の頭

…どうしよう…先輩が、わたしを守ろうとして…!

無理矢理わたしを引っ張ってここから離れようとする山賊に、抵抗する

乱太郎「やだ、先輩!先輩!わたしのせいで…!」

「おいいい加減にしろ!大人しく…」

『大人しくすんのは君の方だろう?』

乱太郎「…!」

ゴッと鈍い音がして、山賊の頭が横に倒れる

ハッとして振り返ると、龍之介先輩が拳を掲げて立っていた

乱太郎「…っ、先輩…!」

『大丈夫かい、乱太郎?』

先輩の目には、いつものように光が戻っていて、安心して思わずその胸に飛び込んでしまう

『痛っ…!』

乱太郎「あっ、す、すみません、龍之介先輩…!」

まだ矢が刺さったままなのに気付き、慌てて離れる

『大丈夫…。乱太郎、止血だけ頼むね』

ポイっと肩から抜いた矢を捨てた先輩に、さっきの怒った先輩との差に少し混乱しつつ言われた通り止血する

乱太郎「あ、でも、毒が塗ってあるって…」

『だ、大丈夫…。毒物使いは毒ではやられないから…』

乱太郎「先輩…?」

さっきから一切視線が合わないのに違和感を覚えつつ、顔をのぞきこむも、逸らされてしまう

やっぱ、勝手に離れてしまったことを怒ってらっしゃるんじゃ…

『…もう、薬草取りどころでないね…。帰って先生たちに報告しよう、か…』

視線が泳いでいる先輩が、指でわっかを作って指笛を鳴らす

ピーーーーー、と森中に響いたであろうその音から少し遅れて、近くの茂みから人が乗れる程の大きな狼が姿を現した

『僕の…飼ってるシロとクロ、で…これに乗って帰ろう、か』

乱太郎「先輩…」

『早く、早く、帰ろう』

あぁ、やっぱり怒ってらっしゃるんだ…

危険な薬草取りの段 8→←危険な薬草取りの段 6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
57人がお気に入り
設定タグ:忍たま , 六年生 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年9月22日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。