僕の望みは、「平穏」【六年生】【男主】【RKRN 】 (ページ13)

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六年生の実戦的実習の段　12 ページ13

留三郎「痛ってぇ～！何しやがる龍之介！」

小声で頭をおさえながら抗議してくる留三郎に龍之介がため息を返す

『確かに僕は燃費が悪くて大食いとされているけど、さすがに失礼じゃないかな』

ただ…、と龍之介が天井板の隙間から下をのぞくと、視線の先には捕まえられて縛られた喜三太としんべヱ姿があった

スンスンと鼻をならして食べ物の匂いを探しているしんべヱに頭を抱える

仙蔵「どうした、龍之介。下に何か…」

『いや…。ところで留三郎…』

留三郎「んぅ？」

『お腹すいたからそのお弁当、ちょーだい☆』

(ここでは対象のおにぎりを隠してしまうのが、善作だな…

たとえそれによって自分が道化になったとしても、任務が失敗して面倒くさくなるよりマシだろう…

くっそ…こんなことなら伊作を連れてくるべきだった…！)

自分の判断を後悔しつつ、留三郎に笑いかけると同級生達が思わずずっこけた

留三郎「結局食うのかよ！」

『しょーがないじゃない。ここで僕が空腹で動けなくなってもいいかい？』

文次郎「早く渡せよ、留三郎」

仙蔵「龍之介が可哀想だろう！」

長次「モソ…」

小平太「ケチ臭い奴だな！」

留三郎「俺かよぉ！？」

ブツブツと不平を漏らしつつ留三郎が渡してくれたお弁当を素早く開け、匂いを撒き散らさないようにさっさと食べてしまう

チラッと下を見、匂いが消えてしまったことに項垂れるしんべヱに心の中で謝る

小平太「そんなに腹が減ってたのか？」

『僕の燃費の悪さ知ってるでしょ』

長次「…龍之介、お前食堂で定食を二人分食べていなかったか…？」

『いつものことじゃない？』

留三郎「弁当は別にいいけど、まだ飛び出しちゃ駄目なのかよ！？」

仙蔵「何を待っているんだ？」

(君と相性の悪い二人が立ち去るのをだよ…)

『もう少しでなくなるから…』

文次郎「まだかぁ？」