僕の望みは、「平穏」【六年生】【男主】【RKRN 】 (ページ12)

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六年生の実戦的実習の段　11 ページ12

小平太「本当か、おま

文次郎「気を付けろよ」

『うん、大丈夫だよ』

小平太の言葉をさえぎって、話をそらす

留三郎「城主の部屋は…」

そう言って留三郎が懐から図面を取り出そうとする

と、それを制止するように龍之介が

『あ、さっき見つけたよ』

留三郎「は！？」

『入ってくるときに迷っちゃってさぁ』

ハハハ、と笑う龍之介

…これは本当なのか、これも嘘なのか…

実際のところ、突然姿を消す率は小平太とトントンな龍之介…

ふらっといなくなったと思えば、いつの間にか戻ってきて「横道をのぞきにいったら、皆いなくなっちゃってるんだもの。君たちどこに行ってたの？ところで横道を抜けたところに目当ての店があったんだけど───」だからな…

仙蔵「どこまで迷子になったんだお前…」

『てへっ☆』

留三郎「うぜぇ…」

小平太「まぁまぁ留三郎、細かいことは気にするな！」

長次「モソ」

留三郎「俺かよ！」

留三郎の突っ込みにクスクス笑いながらも、龍之介が城主の部屋に案内してくれる

『ついたよぉ～。ここが、城主の部屋の上』

長次「ここか…」

小平太「よーし、では早速…」

『あ、待って』

小平太「っと、なんだよ龍之介。早く行こう！」

むくれる小平太を手で制止しつつ、龍之介が素早く何かを探すように視線を泳がせる

『…』

長次「どうした、龍之介…」

『まだ、ダメ…。今は───…待て。…一つ聞きたいんだけど、いいかい…？』

おそるおそる、龍之介がこちらを振り返る

『もしかして、誰か食べ物持ってる…？』

留三郎「あ、俺食堂のおばちゃんにつくってもらった、おにぎりが…」

『～～～～～！！！！』

声にならない悲鳴のようなものを上げてうずくまる龍之介

留三郎「どうした？腹へってんのか？」

『 (ｲﾗｯ)』

俺はここで、思わず仙蔵の方を見た

お互い、目を見合わせてうなずきあう

同室のよしみだ

次に何が起こるかくらい、六年間同じ部屋で暮らせば分かる

仙蔵と二人でため息をついた瞬間、留三郎の脳天に龍之介からの鉄拳が落ちたのだった…