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51. ページ5
「失礼します」
及川さん大丈夫ですか、と飛雄が俺に言う。それに俺は頷いて笑うしかなかった。
「・・・A、まだ顔見せてくれません」
飛雄があまりにも辛そうな顔をしていたからだ。笑う、と言うより苦笑いに近いが。でも、俺は頑張って笑った。これ以上皆辛い顔をして欲しくない。まだ、これで収まれてるって、この形で皆命が助かったって思って欲しかった。
「結果論みたいだけど、お前らが怪我しなくて良かった。Aのこと俺凄い心配だけど、俺が治るまでAのこと宜しくね」
俺もお姉ちゃんの顔が見たい。お姉ちゃんが笑った顔は、俺の心を救うのに。
「ッ及川さん、ありがとうございます‼︎Aを助けてくれて‼︎」
お姉ちゃんの声が聞ける飛雄が憎いけど、笑顔の飛雄は憎くなくて、もどかしい気持ちになった。
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