終幕 ページ16
全国の舞台から帰ってきた岩泉がもう一度Aの部屋に戻る。春高での試合戦績は良い方だ。一度勝ち進んだだけでも良い方だ。さて、Aの残した部屋を保とうか。百合の花が大量にある部屋。百合の花が綺麗といったAの為に、残しておいた。今だ綺麗に咲いているのは、移動して綺麗に整えて植え直したから。ハタから見れば凄い百合の花が好きな人の部屋だ。岩泉は百合の花に水をあげながらクスッと笑った。そんな時、岩泉の目の隅に一つのアルバムが映った。勝手に見るのは烏滸がましいと思いながらも、Aがいた証拠が見たくて、アルバムを開く。そこに映っていたのは、百合の花に勝つAの綺麗な笑顔だった。
「綺麗な笑顔しやがって」
岩泉がそう呟いた時、アルバムの中からくしゃくしゃになった紙が出てくる。四つ折りにされている古びている手紙の素材だ。多分昔の物だろう。四つ折りの手紙を開き、中を読んだ。それは、Aが小学校の時の宿題だった。質問は、こうかかれてあった。
消えてなくなるその前に貴方は如何でありたいですか。
そんな先生の質問を答えるのが宿題だったらしい。岩泉は直ぐに答えを見る。馬鹿じゃねぇの。直ぐにそう呟いた。
私なら、愛する人達の”為”になりたい。
その回答に先生は二重丸。回答は二重丸だけど、行動は大バツだ。岩泉は、アルバムにのっていたAの写真を優しく撫でた。
もし、生きていたら喜びば倍だったのに。
end
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零 - 今まで自分に自分で嘘ついてきて無理してたけどこの作品にあって泣けてスッキリしました。ありがとうございました (2018年3月15日 23時) (レス) id: 09905f0f4e (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ - 命を軽く見がちな私を叱ってくれる人に感謝をしながら生きています。心にくるいい作品に巡り会えたことに感謝を。長文失礼しました。 (2018年2月23日 19時) (レス) id: 436d32812a (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ - 学校でケンカした友達に「死のうかと思った」と言われた時、窓開けて目の前で飛び降りてやろうかと思いました。しなくて良かったと思う反面、楽になれたのかもしれないと他の人に話したら、泣きながら怒ってくれました。 (2018年2月23日 19時) (レス) id: 436d32812a (このIDを非表示/違反報告)
アラン - 全てが、退屈で仕方ない日々で、苦しくて死にたかったです。 でも、占いツクールのおかげで幸せです。「命」それは、儚いモノであり美しいモノであると私は思います。 私は、今、生きていられることに感謝します。 どうしても生きたかったであろう人のために。 (2016年4月21日 19時) (レス) id: 76bd4efda1 (このIDを非表示/違反報告)
梅木さんです(ドヤア - 死にたい。自分は愛されてなんかいないんだ。って時々思うんです。そんなときこのサイトに来て小説を読む。嫌われ、愛され、ほのぼの、ギャグ、ジャンルはいろいろありますが決まって思うのがそのキャラ達は愛されているということです。まぁ、とにもかくにも (2016年3月12日 20時) (レス) id: 42aa7227c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三夏桜 | 作成日時:2015年7月21日 15時