夜永唄 [月島蛍］ (ページ14)

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また、誰かが呼んでいる声で目が覚めた

病院だろう、薬品の香りがまた鼻を通る。

体調は絶不調といったところだろう。

頭は痛いし、特に心臓が圧迫される感じだ。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ドアが開く音がして、そちらを見ると、

鉄朗先輩だった。

走ったのだろうか、息が荒い。

黒「ったくまた心配かけやがって。

　もう明日で10月終わっちまうぞ。

　このまま起きなかったらって、、

　こっちの身にもなれよな。」

『す、すみません。え、明日で10月が終わり！？

　
　ってことは私6日も寝てたんですか？』

黒「ああ、もう心配掛けんじゃねーぞ」

そう言って、鉄朗先輩は会社に戻って行った。

携帯を確認して、

本当に6日間も寝ていたのだと、実感する。

するとメッセージアプリに1件連絡が

入っていることに気づいた。

誰だろうと思い、開くと、"蛍くん"からだった。

思わず2度見をしてしまう相手からだった。

連絡があったのはちょうど6日前で、

"今日、仕事終わったら会いたい。"

と、ただそれだけだった。

きっとあの時寝てしまった後にきたのだろう。

全く気がつかなかった。

『だから、蛍くんあの時、公園まで。』

私があの時メッセージに気づかなかったせいだろう。

酷く後悔する。

『誤解とかなきゃ、きっと勘違いして、、』

私は決心した。明日は10月最終日。

自由に動ける明日に蛍くんに会って思いを

伝えようと。