親分が審問してるだけ ページ16
「あっははは!どや、苦しいやろ?」
「痛...」
とある教会の地下牢、血生臭くじめじめとしているそこに一人の青年と少女が居た
青年の片手には鉤爪のようなものが握られ、鮮血が滴っている...どうやら少女のもののようだ
痛む腕を引くことも出来ず拘束椅子に縛られた少女、涙も流さずただ俯いている
「なんや、つまらん...まだ吐かんのか」
「私何もしてない」
「しらばっくれても無駄や、証拠あるんやから」
少女の家系はごく普通の農家だった
しかしある日、近所の村人にいちゃもんを付けられた上濡れ衣を着せられ異端審問に出されてしまう
両親と兄の四人暮らしだったが三人は既にこの世におらず、少女一人の世界になってしまったのだ
死因は...異端審問
「あ、せや...お前くらいの歳なら召使いにしてやってもええで」
「そんなのやらない」
「命が助かるチャンスやで?逃してまうん?」
「どうせ虐めるでしょ」
少女がそう答えると青年はつまらなさそうに舌打ちをして少女に水を被せた
少女の頬には水滴か涙が分からないものが流れる
「少し頭冷やしぃや、さっきの返事もっかい聞くからな」
少女は寒さと恐怖で震えていた
理不尽な死を目の前にして震えないはずもない
すると、先程の青年が入ってくる
何を思ったか少女に巻かれた鎖を外し、彼女を抱き上げると部屋の出口へと歩きだした
少女は戸惑いと驚きの混じった声でこう問いた
「何考えてるの...?」
「お前の意見聞くのも面倒いわ、強制的に俺の召使いにしたる」
「嫌だ、死んだ方がマシ」
「なら、自_殺してもらおか」
そう言われ、少女はキュッと唇を噛み締める
血が滲みそうになる瞬間、青年は少女と唇を重ねた
長く、ゆっくりと時が流れるように感じる
「っは...!」
「下手くそやね」
「うるさい」
「ご主人様にそんな口きいてええんか?」
貴方を主人にした記憶なんてない...と言おうとしたが、ぐっと飲み込む
手荒な扱いをされるかもしれない...しかし、此奴に復讐することが出来る、ならばその方がいい
すっと少女は息を吸い、吐き出すと同時にこう言い放った
「よろしくお願いします、ご主人様?」
「っははは!あんまり俺を舐めたアカンで?お前の首くらい一瞬で飛ばせるんやからな」
少女と青年の歪な歯車が今、回りだす
果たして少女は復讐を遂げることが出来るのか否か、神でさえもわからない
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作者名:守宮烏 | 作成日時:2019年11月15日 21時