間違い探し<宮侑・宮治> ページ7
『私の居場所はここな気ぃする。』
「せやろせやろ、故郷は恋しいもんやで。
同郷同士、仲良うしよや。」
『でもアンタら兄弟に挟まれるんは勘弁やな。』
「なんでやねん。」
夜。テレビ付きで畳の敷かれた大広間にお邪魔すると稲荷崎メンバーが勢揃い。
あまり話したことは無かったものの、しばらくするとその場に溶け込むように存在していた私。
生まれは兵庫、中学からは宮城と今までの人生半分以上は関西で過ごしていたせいか訛りは忘れることを知らず、たまに油断すると方言が出てくる。
そのかいあって、今はこの場にいることに違和感など微塵も感じられない。
そしてだいぶ仲良くなったのがこの双子。
こいつらがめっちゃ厄介やねん。
『だって、二人とも似すぎてどっちがどっちかわからへんねんもん。』
「やっぱAもかー。」
「まあ、こればっかしは慣れやな。
それより、なんでタメ?」
『あー、何となく?知らんけど。
え、なに?タメ無理なタイプ?』
「そういうわけやあらへんけど。」
『そやろな。タメ口ばっちこい的な顔してるもんな。』
「何やそれ、どんな顔やん。」
と言ったふうにくだらんこと話し合えるぐらいには仲良くなった。
いやぁ、それにしても、やっぱわからんわぁ。
どっちが宮侑くんで宮治くん?
違いなんてあるんやろか。
『あ、ねぇ。ちょい髪触ってみてもええ?』
「ん?ええけど…」
どちらに言われたかわからぬが、取り敢えず座った二人の髪を撫でてみる。
『髪質もあんま変わらんもんなんやな。頭蓋骨もこれといって何もなし…
耳の形は……
あ、侑くんの方がちょい小さい?』
「いや、そっちサムやで。」
『あ、そうやった?堪忍な。』
こう、よく調べてみると案外違いって見つかるなぁ。
いや、でもいちいち調べて確かめんのも面倒やわ。
やっぱ目に見える違いがないと…
『あ、二人とも髪色ちゃうねんな。』
「いや、気づくの遅っ!」
『えーっと、銀髪が治……いや、侑くんで、金髪が治くん?』
「…なんか、Aって、一見頭良さそうな容姿しとる割にはかなりのポンコツやねんな。」
「あぁ〜、なんか分かるわそれ。」
『えぇ、なに?違っとった?逆なん?
ねぇ、正解は?教えて〜や〜!』
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ゆか(プロフ) - そこで終わりですかあああああああああああ!?続き気になります!!!!更新まってますううう!!! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 75e2a494df (このIDを非表示/違反報告)
エマ - とっても、面白いです!!更新、楽しみにしてます。頑張ってくださいね。^^ (2020年2月10日 22時) (レス) id: b5a08e9156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水面雫 | 作成日時:2019年9月26日 19時