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気合 ページ7

恥ずかしい。色々耐え切れなくなってスケッチブックで顔を隠した。


だって遂に片想いしてる、と文字にしてしまった。誰かに好きな人がいるのだと伝えたのはこの店員さんが初めてだった。まあ、そんな事を言えるような友達もいないんだけど。


トントン、と肩を叩かれてスケッチブックに隠してた顔を上げると店員さんはニコニコしていた。ニコニコというか、微笑ましそうな感じ…?



《そういうことでしたら、私と一緒に選びましょう!お客様にお似合いの服をお探しします!》



なんていい人なんだろう…!私の救世主だ。私1人じゃ絶対自分に似合う服なんて分からないから店員さんの申し出は物凄くありがたかった。


お願いします、の意味を込めて彼女に深々と頭を下げた。







思ってた以上にスムーズに決まった。流石服屋の店員さんだな…。私は好きな色と普段何色の服を着てるか答えただけなのに、私の好みのデザインの服をあっという間に色々持ってきてくれた。


体に当ててみて組み合わせを変えながら、試着をしてった。そして、着回せるようにとトップス2着とロングスカートを2着、デニムのジャケットを1着買う事にした。



《とてもお似合いでした!彼も可愛いって言ってくれること間違いなしです!》
《ありがとうございます。本当に助かりました》
《お気になさらず!お客様に似合う服を選ぶのも仕事の一つなので。もうお会計なさいますか?》
《お願いします》



少しだけ予算を超えてしまったけど、店員さんの労力を考えると安いと思う。彼女がいなかったら私は途方に暮れていた筈だ。感謝してもしきれない。


お店を出る時、対応してくれた店員さんにもう一度頭を下げる。顔を上げると私にメモを見せてくれていた。



《片想いの方とうまくいくことを願ってます》



その文に苦笑いをする。確かに私はモトキ君の事が好きだけど、付き合うのは難しいと思う。普通のカップルにはなれないだろうから。


だってモトキ君は今凄い人気のYouTuberだ。そして私は耳が聞こえない。もし、もし付き合う事になったとしても普通のカップルみたいにデートとかできないと思う。


でも、それでも私はモトキ君の隣にいたい。なんて、我儘かなぁ…。


首をブンブンと振って、服の入った袋を抱き締めた。明日はお洒落を頑張ろうと気合を入れる。普段お洒落ってしないけど、明日はお洒落しないと…!


だって、モトキ君に少しでも可愛いと思ってもらいたいから。

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(プロフ) - mikaさん» そういうコメントくださると本当嬉しいです、ありがとうございます。私の作品が誰かの需要になってるんだと思うだけで頑張れます。でも最近更新ペース遅くなってすみません…。 (2019年11月12日 0時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 尊い... (2019年11月11日 8時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 更新されないと思ってたら移行してた笑 (2019年11月6日 16時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年10月30日 0時

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