4本の薔薇～another story～【Fischer’s】 (ページ7)

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アーサー「自己紹介が遅れたね！俺はアーサー・ジェラルド。ミナミの昔のボーイフレンドさ」

マサイ「はぁ…」

「で、アーサー何で日本にいんの？」

アーサー「旅行に決まってるだろ！Japan is wonderful!(日本は素晴らしい！)」

「へぇ……何か、日本語上手くなってない？」

アーサー「あぁ、大学生の時日本に1年留学したんだ。その時日本人の友達とずっと日本語で話すようにしてたからな。でも俺が日本語話せるようになったのはミナミが日本語を教えてくれたからだよ」

付き合ってた頃と全く変わらない笑顔でアーサーは言った。

そういえば私、アーサーのこの顔が好きだったんだよなぁ。

今は何とも思わないけど。

アーサー「ミナミが結婚したのはシャルから聞いたよ。結婚おめでとう！結婚してからますます綺麗になったね」

「相変わらずそういう歯の浮くようなセリフよくスラスラ言えるな」

アーサー「俺にはイタリアの血が半分入ってるからな！」

モトキ「ハーフなの？」

アーサー「父がイタリア人でね。女性の口説き方は父から教わったんだ」

ンダホ「お父さんヤベぇ…」

ぺけたん「イタリア人凄ぇ」

……何か凄く馴染んじゃってるけど、今すぐここからアーサーを連れ出したい。

いやだって普通に旦那さんがいるのに元カレが同じ場にいるの色々まずいって！！

居た堪れない！！

アーサー「君がミナミの旦那さんか。会えて嬉しいよ」

マサイ「……」

「ちょっ、アーサー」

アーサー「ミナミのこと、幸せにしてやってよ」

マサイ「言われなくてもそのつもりだよ」

シルク「ヒューヒュー！」

「シルクくんうっさい、黙れ」

シルク「さーせん」

すかさず茶化してきたシルクくんを睨むとそそくさとンダホくんの後ろに隠れた。

君ンダホくんの後ろよく行くよね。

「……あのさアーサー」

アーサー「ん？」

「私もうこれ以上ないくらい幸せだし。ていうか大きなお世話なんだよ。アーサーはただの元カレってだけだろ」

アーサー「……あっははは！相変わらずミナミは厳しいなぁ。変わってなくて安心したよ」

不思議と前好きだった人が目の前で笑っていても全く何も思わない。

でもそれってマサイくんの存在がそれ程大きいってことなんだと思う。

アーサーの存在をマサイくんが軽々と追い越したってことか。

改めてマサイくんのこと好きすぎるなぁって自覚した。