また君の隣にいたい【Fischer’s】

交換 ページ21

俺もAさんを抱き締めた。会えなかった分と、寂しい思いをさせてしまった謝罪を込めて。どれくらいそうしてたか具体的には分からないけど、かなり長い時間抱き締め合っていた気がする。体を離した時、Aさんは恥ずかしそうに笑っていた。


それから俺の手を引いてリビングに連れてった。少しだけクリスマスらしい飾り付けがされていて、テレビの横に30cmくらいの小さなクリスマスツリーもある。Aさんがクリスマスを楽しみにしていた事が一目で分かる。もうクリスマス自体は過ぎてしまったけど、俺達のクリスマスはまだ終わってない。



［じゃあ今からクリスマスパーティーしよっか］
［うん！］



Aさんが用意してくれた料理もケーキも凄い美味しかった。こんなに楽しいクリスマスパーティーは初めてだ。Aさんも嬉しそうだし、よかった。


あぁそうだ、まだ大事な事やってない。喜んでくれるといいな。



［実はクリスマスプレゼント、用意してるんだ］
［私もだよ］



Aさんは寝室の方に向かって、ラッピングされた箱？っぽいのを持ってきた。俺も持ってきたプレゼントをリュックから出した。


俺のプレゼントがAさんの手に、Aさんのプレゼントが俺の手に。笑うAさんを見て俺も笑った。まだ開けてもないのにそんな嬉しそうな顔するとは思わないじゃん、可愛いなぁ。



［一緒に開けようか］
［楽しみ］



俺もだよ。そういう訳でリボンを解いて袋から箱を出した。見えるのは色違いのマグカップ。ピンクと水色の、俺が結構好きな感じのやつ。これペアだ。ヤバい嬉しい。


いかにも恋人、って感じがする。え〜、割らないように気を付けよ。お揃いのマグカップとかいいな〜って思ってたから嬉しい。


Aさんを見ると俺のあげたプレゼントを袋から出して首を傾げていた。ん？どうしたんだろ。



［これ、マフラーだよね？］
［そうだよ］
［それじゃあこっちは？］
［それはきなこ用の。お揃いがあったから、いいかなぁって思って］



俺があげたのはマフラー。Aさん用のやつと、きなこ用の小さいマフラー。前マサイが“今の時代犬用のマフラーもあるんだって、凄ぇよな”って言ってたから、これだって思ったんだよね。同じ柄のマフラー探すの大変だったよ。


けど、Aさん凄い嬉しそうだから、頑張ってよかった。喜んでくれてありがとうAさん。


早速きなこにマフラーを巻いていくAさんを俺はただ眺めてた。

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