また君の隣にいたい【Fischer’s】

大事 ページ2

すっと差し出された大きめのラッピングされた袋を受け取った。開けていいよって意味でAさんが頷いた。


ドキドキしながらラッピングを解いて中身を取り出した。受け取って時に感触が柔らかかったから布製品かなって思ってた。



「パーカーとコート？」



俺の好みのデザインのパーカーとコートだ。え、こういうの凄い好き。Aさんを見ると照れたように頬を掻きながら教えてくれた。


最初にシルクに相談したみたい。俺に誕生日プレゼントをあげたいけどどういうのがいいのか分からないって。そしたらシルクは俺が今日も着てるモスグリーンのパーカーもう何年も着てるしいつまで経ってもスキーウェア着てるよって言ったらしい。だからパーカーとコートにしたんだって。


まあ服に関してはそう頓着しないし、着られれば何でもいいって思ってるけど。彼女からのプレゼントとなると話は違う。え、凄い嬉しい。コートは冬になったら絶対着よう。



［ありがとう！どっちも凄い嬉しい］
［ならよかった］
［パーカー、今着てみてもいい？］
［いいよ］



今まで着てたパーカーを脱いでAさんからのプレゼントのパーカーを着てみた。サイズもぴったりだし、凄い着心地がいい。身に付けられる物ってのもいい。


シルクありがとう、シルクがそうアドバイスしなかったらこのプレゼントは貰えなかったと思う。次会ったらシルクにもお礼言っておこう。



「Aさん、本当にありがとう。大事に着るね」



笑って言えばAさんも笑ってくれた。えっへへ、これ皆に自慢しようかな〜。



［そろそろご飯にしよっか。リクエストの物作るから待ってて］
［俺手伝うよ］
［ダメ。漫画読んでていいから待っててね］



Aさんはリビングにある大きな本棚を指差した。Aさんの娯楽といえば漫画だったらしくてシルクが持ってる漫画より遥かに多い漫画が本棚に収まってる。ONE PIECEとか名探偵コナン、進撃の巨人とかのメジャーな漫画は勿論、ジャンプ、マガジン、サンデーとかの漫画雑誌に載ってる漫画はほぼあるし少女漫画もある。1000冊は軽く超えてるよな。これはいつ見ても壮観だ。


ONE PIECEの頂上戦争編を読んでるといい匂いがしてきた。俺がリクエストしたのはハンバーグ。子供っぽいとか言わない。手作りのハンバーグって好きなんだよね。その人の愛が込もってる気がして。


あ、プレゼントはしまっとこう。匂い移ったら嫌だし。大事な物だもん。

特別→←充電

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す